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会話文
学生A: ほんとうは、商品の紹介という役割こそ広告の使命じゃないのか。
学生B: そうなんだ。しかし、現実では広告自体が商品ともなるという不思議な現象が起こってるんだってさ。
学生A: つまり、テレビの画像[1] によって付加[2] された商品のイメージを実体[3] とみなし[4] で買う、ということなのか。
学生B: そういうことになるだろう。商品のための道具でしかない広告が、それ自身が価値を持ち、商品になるということなんだ。 ^
学生A: 問題になるのは、商品という実体から離れた広告が世の中にあふれている現実だ。
学生B: そうだな。商品という実体を欠いた差異が問題になるんだ。
学生A: ソシュールの言葉「差異が価値を生み出す」をどう理解したらいい?たとえば、
「兄』という言葉を考えてみよ。
学生B: この「兄」は単独では存在できない。「弟」とペアになり、対立することによってしか存在できない。
学生A: しかし、英語ではすべてbrother,で兄と弟とに差異と対立を認めない。
学生A: ところが、貨幣はどうだ。貨幣は商品の価値を計る物差し[6] のようなもので、それ自体はただの紙切れ[7] に過ぎない。
学生B: 貨幣はただの紙切れだが、人々はそれをほしがる。ということは、貨幣自体も実体を持った価値であるということになるのか。
学生A: そういうのを“過剰な差異”というんだ。
学生B: このような差異を価値のあるものとみなしてものを買うのはばかばかしいことじゃないか。
学生A: ぼくも同感だな。
[1]画像◎【がぞう】【名】
(1)画像。绘画中所描绘的姿态和形状。(絵に描かれた姿·かたち。)
(2)图像,画面。电视屏幕、银屏或感光纸显现出来的影像。(テレビジョン·スクリーン·感光紙などに映し出された映像。)
△テレビの画像が乱れる。/电视图像紊乱。
[2]付加①【ふか】【名·他动·三类】
附加,添加,追加,···充。(あるものに、さらに付け加えること。添加。)
△規則に下記の項目を付加する。/在规定中补充下列一项。
△付加所得税。/附加所得税。
[3]実体◎【じってい】【名·形动】
耿直、忠诚正直。(ま··めで正直なこと。実直。)
△··体な人柄。/人品正直。
[4]見做し◎【みなし】【名·自サ】
(1)看作是。假设是这··。(みなすこと。仮にそうであると想定すること。)
[5]恣意①【しい】【名·形动】
恣意,任意。(気ままな心··自分勝手な考え。)
△恣意に··釈してはいけない。/不可随意解释。
△恣意的に改ざんする。/随意窜改。
[6]物差し③④【ものさし】【名】
(1)尺子,尺。(物の長さを測る道具。)
(2)尺度,标准。(評価の尺度。)
△考え方の物差しが違う。/想法的尺度不同。
△出版の量は文化の物差しだ。/出版量是衡量文化的尺度。
△自分の物差しで他人を見る。/以自己为(标)准看待别人,以己度人。
[7]紙切れ③④【かみきれ】【名】
纸片,破纸。(紙の切れ端。···た、小さく切った紙。紙片。)
△紙切れに書きとめる。/写在纸片上。