では、その違いはどこから生まれてくるのか、と考えた時に思い当るのは、やはり歴史の違いです。ナクヨウグイス[1] 平安京、というわけでかの地に都ができたのは、西暦794年のこと。その前は長い間奈良に都があり、桓武天皇[2] がちょこっと長岡京[3] へ遷都[4] した後、京都(とは当時は言っていないが)へ再度の遷都を行なった。
それから、千年。京都はずっと、京で都でありました。なにせ「京都」。「みやこです」としか言っていないその地名が、京都がどのような土地であるかを如実[5] に物語っています。
「東京」という地名も、「みやこです」と言っています。が、それは「東の、みやこです」ということ。ニューヨークが「ニューなヨーク」として命名[6] されたのと似たような発想のもとに、東京は命名されている。
もちろん、江戸時代からこの地は都市ではあったのでした。が、江戸[7] には将軍はいたけれど、帝はいなかった。体育会系の都市である江戸を、文化系都市である京の人達は「まぁねぇ、田舎にだってマチ[8] は必要でしょうしねぇ」的な感じで見ていたのでしょう。
東京の雑食[9] 性の基礎は、この時期に醸成[10] されたものと思われます。江戸には各藩の武士達が常駐しなければならなかったわけで、日本全国から人が集まっていた。京から見れば田舍である江戸に、日本全国の田舎から人が集結[11] し、それぞれが「田舎者だと馬鹿にされてはならじ!」と頑張ることによって江戸は発展したのでしようし、「とはいえ、まあ私達、所詮は田舎者なわけですしねえ」と割り切る[12] ことによって、独特の寛容[13] さ、というか鈍感さを養うことになったのではないか。その後、色々あって明治維新[14] 。将軍はいなくなりましたが、1868年、いよいよ帝が東にやってきて、江戸は東京となりました。東京はますます発展し、また京都は京都で日本文化の中心地となった。
[1]在日语里,平安京迁都是794年,【794】的发音是泣(な)くよ(na ku yo),ウグイス在日语汉字里写【莺】,就是黄莺的意思,为了便于记忆年份,所以说成なくようぐいす=ナクヨウグイス=哭泣的黄莺。
ナクヨウグイス平安京、というわけでかの地に都ができたのは、西暦794年のこと。
因为是哭泣的黄莺(794)平安京,所以呢,在那个地方建立都城,是西历794年的事。
[2]桓武天皇④【かんむてんのう】
【名】
桓武天皇。名山部,光仁天皇之子。(名は山部、光仁天皇の子。)
[3]ながおか‐きょう【長岡京】‥ヲカキヤウ
①桓武天皇の初めての都?784年(延暦3)平城京から移ったが?遷都を首唱した藤原種継が暗殺されたりしたため?794年平安京に移った?宮域の中心は京都府向日むこう市にあり?長岡京市?京都市?乙訓おとくに郡大山崎町まで広がっていた?ながおかのみやこ?
②京都府南部の市?市名は1に由来?京都と大阪の中間に位置し?双方の衛星都市?人口7万8千?
[4]遷都①【せんと】
【名·自动·三类】
迁都。(都を他の地へうつすこと。)
[5]如実◎【にょじつ】
【名】
真实,如实。(実際のとおりであること。多く「如実に」の形で副詞的に用いる。)
△その時のようすを如実に描く。/真实地描写当时的情景。
△その国の現状を如実につたえる。/如实地传达该国的现状。
[6]命名◎【めいめい】
【名·自动·三类】
命名,取名。(名前をつけること。)
△命名式。/命名仪式。
△赤ちゃんの命名は両親にとって最も重要な事です。/给孩子起名对父母来说是最重要的事。
[7]江戸◎【えど】
【名】
江户。(日本东京の旧称。)
[8]マチ【まち】
【名】
小贴布。
[9]雑食◎【ざっしょく】
【名·他动·三类】
吃多种食物、杂食。(肉類や野菜類をとりまぜて食べること。また、何でも食べること。)
△雑食性。/杂食性。
[10]醸成◎【じょうせい】
【名·他动·三类】
(1)酿造。(発酵·熟成などの作用によって,酒·味噌·油などをつくること。)
△酒を醸成する。/酿酒。
(2)酿成,形成,引起。(ある気運·情勢などを次第に作り上げてゆくこと。かもし出すこと。醸造。)
△社会の不安を醸成する。/引起社会的不安。
[11]集結◎【しゅうけつ】
【名】【自他サ】
集结。(兵力などを一か所に集めること。また、集まること。)
△国境に軍隊を集結させる。/把兵力向边境集结。
[12]割り切る③【わりきる】
【他动·一类】
(1)除尽,整除,没有余数。(割り算で端数が出ないように割る。)
△3は6を割り切る。/三能除尽六。
(2)干脆,果断。毫不犹豫地下判断。(一定の基準であっさり結論を出す。)
△この問題はそう簡単には割り切れない。/对这个问题不能那么简单地下结论。
△割り切った態度。/干脆明确的态度。
△理屈で割り切ることのできない問題。/凭道理想不通的问题。
[13]寛容◎【かんよう】
【名·形动·他动·三类】
宽恕,宽容,容许,容忍。(心が広く、他人の言動などをよく受け入れること。)
△寛容な態度。/宽容的态度。
△寛容な精神の持ち主。/有宽容精神的人。
△ご寛容のほど願います。/请予宽恕。
△ある程度の自由は寛容しなければならない。/某种程度的自由是应该容许的。
[14]明治維新④【めいじいしん】
【名】
明治维新是指19世纪60年代日本在受到西方资本主义工业文明冲击的背景下所进行的由上而下、具有资本主义性质的全面西化与现代化改革运动。(一九世紀後半の日本で、江戸幕藩体制が崩壊し、代わって近代統一国家とこれを支える明治新政権が形成されていった一連の政治的社会的変革過程。徳川将軍から朝廷への大政奉還、封建制から資本制への移行というわが国史上まれにみる激動期で、その始期と終期については諸説あるが、広義には天保の改革から明治憲法成立の明治二二年までとし、狭義には元治·慶応の討幕運動から明治四年の廃藩置県までをさす。)