「一九七八年秋。東京郊外の家。新築[1] 記念のガーデン[2] パーティー」……説明にはそう書かれていた。
息をのみながら、写し出されていた風景に目をこらした。見たことのある写真だった。それどころか、そこに写っている家は、私が知っている家だった。或る意味で、私の愛した人を象徴してやまない家だった。
正面に、天井までの高さのある両開き[3] の大きな窓が三つ。完全に洋館仕立ててになっている。観音開き[4] に開け放された窓の外には幅広いテラス[5] が伸びており、そこでは幾つかのテーブルを囲んで、十二、三名の着飾った[6] 人々が歓談[7] している。テラス[8] から四段ほどの階段を降りたところが庭で、ここでもまた、十数人の人々が、立ったままグラスを手に談笑[9] している。
よく晴れた日で、人々の影が長く地面[10] に伸びている。晚秋[11] の日差しに满ちた午後の風景。東京郊外に建てられた、贅[12] を尽くした家の新築記念パーティー……。
庭で立ったまま談笑している人々の中に、忘れようとしても忘れることのできない人々の顔が見える。袴田亮介?阿佐緒夫妻[13] 。そして秋葉正已……。
画面左手の隅のほうで、正巳はシャンペン[14] グラスを手に、カメラに左半身を見せながら退屈そうに空に向かって煙草をふかして[15] いる。誰も彼に話しかけておらず、彼もまた、誰かに愛想をふりまこう[16] とはしていない。意地[17] になって孤独を守り抜こう[18] としているように見える。
一方、袴田夫妻は画面の右端にいて、居合わせた[19] 客に向かって愛想よく笑み[20] を投げかけている。夫妻のまわりには、華やいだ[21] 人垣[22] ができている。対照的[23] な雰囲気をたたえた[24] 男と女が、それぞれ画面の両端にとらえられているせいで、写真は奇妙にシンメトリー[25] な構図[26] を描いているように見える。
[1]新築◎【しんちく】
【名·他动·三类】
(1)新建,新盖。翻盖,重盖。(新しく建物を建てること。)
△事務所を新築する。/新建办公室;新建事务所。
△新築計画。/新建计划。
(2)新建的房屋。(新しく建てた建物。)
△僕の新築はこの辺です。/我的新家就在这附近。
[2]ガーデン①【ガーデン】
【名】【英】garden
乐园,庭园。(庭園。楽園。遊園。)
△ガーデン·パーティー。/游园会。
△ビヤ·ガーデン。/啤酒园。
[3]両開き③◎【りょうびらき】
【名】
两开,(门)从中间打开、向左右两面分开开启。(扉が中央から左右に分かれて開くこと。また、そのもの。)
△両開きドア。/两面开的门。
[4]観音開き④【かんのんびらき】
【名】
左右对开的两扇门。((観世音の像をおさめた厨子の造り方に基づく)左右の扉が中央から両側に開くように造られた開き戸。仏壇·倉庫などに用いる。)
[5]テラス①【テラス】
【名】【英】terrace
(1)平台屋顶。(庭などへ突き出た屋根のない床。露台。)
(2)阳台,凉台,晒台。(庭園·公園などにつくられた平坦な壇状部分。)
△テラスで夕涼みする。/在阳台上乘晚凉。
[6]着飾る③【きかざる】
【他动·一类】
盛装;打扮。(美しい着物を着る。盛装する。)
△けばけばしく着飾る。/打扮得花里胡哨。
△美しく着飾る。/穿上漂亮衣服。
[7]歓談◎【かんだん】
【名】【自动·三类】
畅谈,畅叙,欢谈。(打ち解けて親しく語り合うこと。)
△友人と歓談する。/与朋友畅谈。
[8]テラス①【テラス】
【名】【英】terrace
(1)平台屋顶。(庭などへ突き出た屋根のない床。露台。)
(2)阳台,凉台,晒台。(庭園·公園などにつくられた平坦な壇状部分。)
△テラスで夕涼みする。/在阳台上乘晚凉。
[9]談笑◎【だんしょう】
【名】【自动·三类】
谈笑。(打ち解けて楽しく語り合うこと。)
△お茶の卓を囲んで談笑する。/围坐在茶桌旁谈笑。
[10]地面①【じめん】
【名】
(1)地面,地上(大地の表面。じべた。地上)。
△雨で地面が潤った/地面因下雨湿了。
△地面から1メートル上の所/离地面一米的地方。
△地面には雪が1メートルも積もっている/地上积有一米多深的雪。
△地面すれすれにつばめが飛ぶ/燕子擦着地皮飞。
(2)土地;地皮;地段(土地。地所)。
△広い地面/大片土地。
[11]晩秋◎【ばんしゅう】
【名】
(1)晚秋,暮秋。(秋の終わり。秋の末。)
(2)阴历九月。(陰暦9月の異称。)
[12]贅①【ぜい】
【名】
浪费,奢侈。(ぜいたくなこと。おごり。)
△贅を極める。/极尽奢华。
[13]夫妻①②【ふさい】
【名】
夫妻,夫妇,两口子。(夫と妻。夫婦。)
△伊東氏夫妻を招く。/招待伊东先生和夫人。
△夫妻同伴で出かける。/夫妻俩一起出门。
[14]シャンパン③【シャンパン】
【名】【法】champagne
香槟酒。指法国香巴尼地区出产的发泡葡萄酒。酒精度13%。(発泡性の白葡萄酒。厳密にはフランス北東部シャンパーニュ地方産のものを指す。)
△シャンパンの口をポンと抜く。/砰地一声把香槟酒瓶盖拔掉。
△シャンパンの杯を上げて祝う。/举起香槟酒杯祝酒。
[15]吹かす②【ふかす】
【他动·一类】
(1)抽烟,吞云吐雾。(タバコを吸う。また特に、タバコの煙を深く吸わずに吐き出す。)
△パイプを吹かす。/抽烟斗。
(2)显摆,炫耀。((「…風(かぜ)を吹かす」の形で)それらしいようすをする。…ぶる。)
△先輩風を吹かす。/摆前辈的架子。
(3)(使引擎)快速转动。(自動車などのエンジンを速く回転させる。)
[16]振りまく③【ふりまく】
【他动·一类】
(1)散布;撒。(まき散らす。)
△水を振りまく。/撒水。
(2)分给许多人。〔惜しげなく与える。〕
△金を振りまく。/ 挥金如土。
[17]意地②【いじ】
【名】
(1)心术,用心。(気立て。気性。)
△意地が悪い/用心不良;心术不好;故意刁难。
△あの上司は意地が悪くて,部下が苦労している/那个领导心术不好,在他手下真遭罪。
(2)固执,倔强,意气用事『成』,矫情。(自分の考えを通そうと思う気持ち。)
△お互いに意地を張りあう/互相意气用事。
△あまり意地をはると人にきらわれる/过分固执别人会讨厌的。
△あくまで意地を通そうとする/想要坚持到底。
(3)志气,气魄,要强心,逞强心,坚强的意志。(強い意志。)
△あの人はまるで意地がない/那个人没有一点志气〔一点儿不要强〕。
△意地っぱりで勝ち気/逞强好胜。
(4)〔欲〕嘴馋,贪食;贪婪。(物を貪ろうとする気持ち。特に、食べ物に対する執着。)
△意地がきたない/嘴馋贪婪。
△食い意地がはっている/嘴馋;贪食。
△「なぜいけないんだ」と,彼は意地になってくってかかった/他偏故意激烈争辩说“为什么不行”。
△仕事が遅いと文句を言ったら,彼は意地になって食事もせずにやり続けた/说他做事太慢,他就赌气饭也不吃继续干下去。
△するなと言うとかえって意地になるから,黙っているほうがいい/不叫他做,他反倒偏要做,最好别吭声。
[18]守り抜く④【まもりぬく】
【他五】
坚守,保卫住。(最後まで守る。守りとおす。)
△何があっても、あなたを守り抜いて見せる。/不管发生什么事,我都要誓死守护你。
[19]居合わせる④【いあわせる】
【自下一】
正好在场。(ちょうど うまいぐあいに、そこに居る。)
△私はその事故の現場に居合わせた。/我刚好处在事故发生现场。
[20]笑み①②【えみ】
【名】
(1)笑容,笑。(ほほえみ。微笑。)
△笑みを浮かべる。/含笑。
△笑みのなかに刃をかくす。/笑里藏刀。
△満面に笑みをたたえる。/满面笑容。
△彼女の顔から笑みが消えた。/笑容从她脸上消失了。
(2)花开,果实成熟裂口。(花が開くこと。また果実などが熟して割れること。)
△いがぐりの笑み。/栗球裂开。
[21]華やぐ③【はなやぐ】
【自动·一类】
(1)变得华美,热闹。(はなやかになる。明るくはでになる。)
△パーティーの華やいだ雰囲気。/派对盛大热闹的气氛。
(2)显赫一时,荣华一时。(時めく。栄える。)
[22]人垣◎【ひとがき】
【名】
(围一圈的)人群,人墙。(多くの人が垣のように立ち並ぶこと。)
△人垣を作る。/围成人墙。
[23]対照的◎【たいしょうてき】
【形动】
对比鲜明,正相反。(二つの事物の違いが、非常にきわだって認められるさま。)
△対照的な二人の性格。/对比鲜明的两个人的性格。
[24]湛える【たたえる】
【他动·二类】
(1)装满,充满。(液体などをいっぱいに満たす。)
△目に涙を湛える。/眼中溢出了眼泪。
(2)满面。(ある表情を浮かべる。感情を顔に表す)
△満面に笑みを湛える。/笑容满面。
△愁いを湛える。/愁容满面。
[25]シンメトリー③【しんめとりー】
【名】【形动】【英】symmetry
对称,匀称,对称美。(左右対称であること。左右の各部分のつりあいがとれていること。また、そのさま。均斉。)
[26]構図◎【こうず】
【名】
(1)构图。(絵や写真などの画面の、全体の構成。)
△安定した構図。/稳定的构图。
(2)构图。(平面的な造形美術で、全体の効果を高めるための諸要素·諸部分の配置。コンポジション。)
△この絵は構図がうまい。/这画构图很好。
(3)(比喻)事物整体形象。(物事全体のすがた、かたち。)
△生活の構図。/生活的计划。
△小説の構図。/小说的结构(布局)。
△犯罪の構図。/犯罪的构图。
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