提示や結論の部分が長すぎて、くどい[1] 印象を与えたりすることはないだろうか。展開の部分の材料の配列[2] はうまくおさまって[3] いるだろうか。材料が多すぎてごたごた[4] したり、一方に偏って[5] 散漫[6] になったりしてはいないだろうか。――こうしたことを点検[7] して、レイアウトが決まったら、それに従って文章を書いていけばいい。
こうした作業は、戯曲[8] やシナリオ[9] を書く時に用いられていて、専門用語では、「箱書き[10] 」と言っている。「箱書き」は戯曲やシナリオを構成するレイアウトなのだ。
言ってみれば、文章とはドラマのようなものである。その主人公は、もちろん文章を書く自分自身だ。だが、ほかにもう一人相手役がいる。それは、その文章の読み手だ。読み手というバイプレーヤー[11] には、台詞[12] はない。けれども彼は確実にそこに存在し、行間に主人公の書き手と無言の対話をしていなくてはならない。大学を受験した時の自分をいまになって思い出すと、確かに、出題[13] 者(顔も名も知らない)と対話する気持ちで筆を進めていたと思う。
ドラマの主人公は、相手役に向って、熱心にその考え方を説いていく。相手役の反応を見ながら、その心をつかもうと働きかけていく。そして、ついに相手の心を動かすというクライマックス[14] 。そして、幕切れ[15] の印象的な台詞。
こういうドラマの構成は、そのまま文章にもあてはまる。「聞き手」という相手役を設定し、彼らの考え方を具体的にイメージとして捕らえることができれば、文章は生き生き[16] と精彩を放つ[17] はずだ。
[1]諄い②【くどい】
【形】
(1)冗长乏味,罗嗦,叨唠,喋喋不休。(同じことを何度も繰り返し言って、わずらわしく感じられる。話がしつこい。)
△くどい話。/冗长乏味的话。
(2)过于浓厚,油腻。(食べ物の味付けがしつこい。)
△諄い味/过浓的味道.
[2]配列◎【はいれつ】
【名·自他动】
排列。(順序をきめてならべること·また、そのならび·)
△幾何学的な配列。/几何方式的排列。
△種類別に配列する。/按种类排列。
△配列をなおす。/整理排列。
△ABC順に配列する。/按ABC的顺序排列排列。
[3]修まる③【おさまる】
【自动·一类】
(品行)改好,改邪归正。(行いがよくなる。まともな状態になる。)
△素行が修まらない。/不改邪归正。
[4]ごたごた◎④①【ごたごた】
【副】【名】
(1)纠纷;争吵(争い。もめごと。いざこざ)。
△あの会社にはごたごたが絶えない/那个公司里老是纠纷不断。
△ごたごたがおさまった/纠纷平息了。
△夫婦の間でごたごたする/夫妇之间争吵不休。
(2)混乱,乱七八糟(秩序やまとまりのないさま)。
△ごたごたしたへや/乱糟糟的房间。
△家の中がごたごたしている/家里杂乱无章。
[5]偏る③【かたよる】
【自动·一类】
(1)偏颇,不公平,不平衡;偏于一,集中于一方。(中心や標準からそれて一方に寄る。また、ある部分にだけ集まって、全体の釣り合いを欠く)
△思想が左に偏っている/思想左倾。
△考えが偏っている/见解偏颇。
△解釈が偏っている/解释偏颇。
△針路が東に偏る/航线偏东。
△人口が都市に偏る/人口偏集于城市。
△どちらにも偏らない/不偏不倚。
△ 栄養が偏る/营养失调。
(2)偏袒,不公平待遇。(不公平な取り扱いをする)
△政治が資本家優遇に偏ってはならない/政治不可偏袒优待资本家。
△偏った処置/不公平的处理。
[6]散漫◎【さんまん】
【名】【形动】
(精神)不集中,散漫,涣散;松懈。(気持が集中せず、仕事にまとまりのない様子。)
△思考力の散漫な人。/思想不集中的人;粗心马虎的人。
△注意が散漫だ。/注意力不集中。
[7]点検◎【てんけん】
【名·他动·三类】
检点,检查。(誤りや不十分な点·故障などがないかどうか、いちいち調べること)
△点検を受ける。/受检查。
△服装を点検する。/检查服装。
△人員を点検する。/查点人员。
△誤りを点検する。/检查错误。
△火の元を点検する。/检查火种火源。
[8]戯曲◎【ぎきょく】
【名】
剧本;戏剧。(演劇の脚本·台本。)
△『白毛女』の戯曲を上演する。/上演《白毛女》剧本。
△戯曲を書く。/写剧本。
△戯曲集。/剧选。
[9]シナリオ◎【しなりお】
【名】【英】scenario
剧本,脚本。(映画·テレビの脚本。台本。)
△シナリオは面白いです。/脚本的内容很有趣。
[10]箱書き◎【はこがき】
【名】
将大的格调确定下来后分场景要点补全细节。
[11]バイプレーヤー【バイプレーヤー】
助演者,配角.
[12]台詞◎【だいし】
【名】
(剧)台词。(せりふ。台辞。)
△台詞を言う。/念台词。
[13]出題◎【しゅつだい】
【名·自动·三类】
(考试、诗歌)出题。(試験問題を出すこと。また、詩歌の題を出すこと。)
△歌会の出題。/歌咏会的命题。
△試験の出題範囲は非常に広い。/考试出题的范围非常宽。
△出題者。/出题人。
[14]クライマックス④【くらいまっくす】
【名】【英】climax
(1)顶点,最高峰,极点,绝顶,高潮。(物事の緊張や精神の高揚が最高に盛り上がった状態。)
△話がクライマックスに近づく。/故事接近高潮。
△芝居はいよいよクライマックスに達した。/戏剧逐渐达到了最高潮。
△クライマックスに達する。/达到高潮、顶点。
(2)修辞,层次渐进法;使文势逐渐增强达到顶点。(修辞学で、漸層法のこと。)
(3)森林的极相、颠峰群落。(森林などの極相のこと。)
[15]幕切れ◎【まくぎれ】
【名】
(1)闭幕,终场,收场。(芝居で、一段落がついて幕がしまること。また、その場面。閉幕。)
(2)煞尾,终局,结束。(物事の終わり。終結。)
△あっけない幕切れ。/草草收场。
[16]生き生き③【いきいき】
【副·自サ】
活泼,生气勃勃『成』,生动,栩栩如生『成』。(元気で、活気のあるさま。新鮮で生気が溢れているさま。)
△生き生きした表情。/生动的表情。
△生き生きした描写。/生动的描写。
△生き生きした魚。/活生生的鱼;鲜鱼。
△この絵は生き生きとしている。/这幅画生动逼真活泼。
[17]精彩を放つ【せいさいをはなつ】
大放异彩
箱書き 这里的意思是“分场景要点”