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読み物
人は山に向かう
地澤夏樹
どうもこの夏は忙しいことになりそうなので、梅雨が明ける前に2日だけの夏休みを作った。何をしようかといろいろ考えたあげく、上信越[1] のちょっとした山に登ることにした。前の日に車で麓[2] の温泉に行って、朝早くから登り、夕方には降りてこようというほんの遠足[3] 程度の山登りだが、それでも行く前には結構うきうきするものだ。
この山、最近やたらに流行している深田久弥の『日本百名山』などにはもちろん入っていない地味な山で、標高[4] は2000メートルを少し越えるくらい。冬こそ東側[5] 斜面[6] がスキー客で賑わう[7] が、夏に西側[8] から登る人は多くはなさそうだ。
頂上のすぐ下に相当[9] に広い高層湿原[10] があって、池塘[11] が点在[12] し、高山植物[13] がずいぶんきれいだという。人が少なくて、登るのが楽で、しかも花がきれいというのはいい山だ。早朝からさっさと登ってこの湿原のあたりをぶらぶら散歩するのも悪くないと思った。麓の一帯[14] はかつては冬の雪に埋もれて孤立[15] したというなかなかの秘境[16] で、『北越雪譜』で知られる江戸後期[17] の文人[18] 鈴木牧之に紀行[19] 記1巻[20] がある。宿にはもちろん温泉完備[21] 。
なぜ人は山に登るかという陳腐[22] な質問がしばしば発せられる裏には、登山が日常の論理にそぐわない[23] 行為だという認識がある。山に登ることの利[24] は見えにくいのだ。人と違うことをするには弁明[25] が必要なのが人間の社会で、経済的に有利であるとか、社交上の益が大きいとか、美容に効果があるとか、万民[26] の認める利のない行為はなかなか他から認められない。健康のためなどと恥ずかしい言葉を口にするわけにもいかない。要するに、山は普通の人の視野[27] の外にあるのだ。
なぜ登るのかとしつこく[28] 聞かれるのが嫌になると、そこに山があるからなどとはぐらかした[29] 答えで相手を煙[30] に巻いて逃げる。ではそこに木があれば登るのか問いかえしてみれば、趣味としての木登り[31] というのは大人の世界ではない以上、山の場合はもう少し何か理由があることがわかるはずだが、その理由はなかなか言葉にならない。
[1]じょう‐しん‐えつ【上信越】ジヤウ‥ヱツ
上野こうずけ 信濃しなの 越後えちごの総称 また その3国にまたがる地域
[2]麓③【ふもと】
【名】
山脚,山麓。(山のすその部分。山麓。)
△山の麓にある家。/在山脚下的房子。
[3]遠足◎【えんそく】
【名·自サ】
(1)远足,郊游。学校特殊教育的一种,指为参观学习,锻炼身体等而以徒步为主的方式去远处旅行。(学校の特別活動で、見学や運動·レクリエーションなどのために、歩くことを主にして遠くへ行くこと。日帰りの集団遠出にいう。)
△バスで富士山へ遠足に出かける。/坐大轿车到富士山去郊游。
△学校の遠足。/学校组织的远足。
△遠足にはクラス全員が行く。/郊游全班都去。
(2)远足,徒步旅行。徒步到远处去。(歩いて遠くへ行くこと。)
[4]標高◎【ひょうこう】
【名】
〈地〉标高,海拔。(一定の海面を基準として表した、山や陸地などの高さ。)
△標高2千メートルの山。/标高(海拔)二千米的山。
[5]東側④【ひがしがわ】
【名】
(1)东边,东侧,东面。(東に面した側。また、ある地点より東の方。)
△太陽は東側から上がる。/太阳从东边升起。
(2)东方国家。(米国や西欧などの資本主義諸国に対して、ソ連および東欧の旧社会主義諸国をいった語。)
△東側諸国。/东方诸国。
[6]斜面①◎【しゃめん】
【名】
斜面,倾斜面,斜坡。(水平面に対して傾いている平面,または地面。)
△ゆるやかな斜面。/慢坡。
△急斜面。/陡坡。
△丘の斜面に畑をつくる。/在丘陵的斜坡上造田。
[7]賑わう③【にぎわう】
【自·一类】
(1)热闹,拥挤,繁华。人来的很多而热闹。(人が大勢出てにぎやかになる。)
△大売り出しでにぎわっている店。/因大甩卖顾客拥挤的铺子。
△年末で往来はにぎわっている。/因为年底街上很拥挤。
(2)繁荣,兴旺,兴隆,兴盛,繁盛。(富み栄える。繁盛する。)
△市が賑わう。/市场旺盛。
△一族が賑わう。/一族兴旺。
△大阪は昔から商業都市としてにぎわってきた。/大阪从很早就作为商业城市繁华起来了。
(3)丰盛。变丰富。(豊かになる。)
△食卓が賑わう。/餐桌丰盛。
[8]西側◎【にしがわ】
【名】
(1)西侧,朝西一侧。(西にあたるところ。西に向いている部分。)
△西側の窓。/西边的窗户。
(2)西方,对东欧而言的西欧各国。((ヨーロッパでの政治勢力の地理的関係から)自由主義体制の諸国。)
[9]相当◎【そうとう】
【自动·三类·名】
(1)相当于;相等于。(あてはまる。)
△専門家の水準に相当する。/相当于专家的水平。
△それに相当する英語はない。/没有和它相当的英语。
△佐官および相当官。/校官及与其相当的官。
(2)适合,适称;适当。(つりあう。)
△子どもに相当した仕事。/适合孩子的工作。
△収入に相当した生活をする。/过与收入适称的生活。
(3)值得;应当,应该。(値する。)
△その罰は彼に相当している。/他应当受到那样的惩罚。
(4)过得去;象样;相当好,不错,够味儿,象样儿。(はずかしくない程度。見ばえがする。かなり良いこと。)
△相当な暮らしをする。/日子过得不错。
△相当の身なりをしている。/穿得象个样。
△彼女の歌は相当なものだ。/她唱得够味儿。
(5)相当,颇,很;够瞧的,够劲儿。(普通を超えているさま。かなりな程度であるさま。)
△相当な金額。/相当多的一笔款。
△相当な成功。/颇为成功。
△あの男も相当な者だ。/那家伙也颇有一套(藐视不得)。
△この問題を取りあげるには相当な勇気がいる。/要着手解决这个问题颇需要点勇气。
[10]湿原【しつげん】
湿原野.【名】
潮湿的草原
[11]池塘【ちとう】
池塘,贮水池
[12]点在◎【てんざい】
【名·自サ】
散在,散布。分散在各处。(あちこちに散らばってあること。散在。)
△岩礁があちこちに点在する海岸。/散布着暗礁的海岸。
[13]高山植物⑥【こうざんしょくぶつ】
【名】
高山植物。(主に高山帯に生育する植物。小形の多年生草木や小低木が多く、地下部が発達し、花は鮮やかな色彩をもつ。生長期間が短いので花が一斉に咲き、お花畑ができる。コケモモ·チングルマ·イワオウギなど。)
△高山植物園。/高山植物园。
[14]一帯【いったい】
【名·副】
(1)一连串。(ひと続き。ひとすじ。)
△一帯の雲が浮んで。/漂浮着一串云。
(2)某周围全部。(あたり全体。)
△九州一帯。/九州一带。
[15]孤立◎【こりつ】
【名·自サ】
(1)孤立。脱离其他事物而单独存在。(他から離れて一つだけ立っていること。)
△孤立した部隊。/孤立的部队。
△国際的孤立。/国际上的孤立。
(2)孤立,无依靠,独自存在。毫无援助。(仲間がなく、一つだけで存在すること。)
△孤立無援。/孤立无助〔援〕。
△孤立状態に陥る。/陷入孤立状态。
△仲間から孤立する。/孤立于同伴。
△少数を孤立させる。/孤立少数。
△同情者を失って,彼は孤立する形となった。/失去了同情者,他成了孤家寡人。
[16]秘境◎【ひきょう】
【名】
秘境。(人跡のまれな、様子がよく知られていない土地。)
△秘境アマゾン。/秘境亚马逊。
[17]後期【こうき】
【名】
后期,后半期。(一定の期間を二つまたは三つに分けたうちの、あとの ほうの期間。)
△江戸後期の文学。/江户时代后期文学。
[18]文人◎①【ぶんじん】
【名】
文人,文士。(詩文·書画など、風雅の道に心をよせている人。)
△文人趣味。/文人雅趣。
[19]紀行◎【きこう】
【名】
游记,旅行记。(旅行中の体験·見聞·感想などを書きつづった文章。紀行文。)
△紀行文学。/纪行文学。
[20]巻①【かん】
【名】
(1)卷,书,书本,书册,卷帙。(書籍。)
△巻を追って読む。/逐卷阅读,一卷一卷地读。
△巻を措く。/释卷。
△手に巻を捨てず。/手不释卷。
(2)手卷,卷子。(巻きもの。)
△古筆の巻。/古书法家的书卷。
[21]完備①【かんび】
【名·自动·他动·三类】
完备,完善,齐全,俱全。(要なものが完全に備わっていること。また、完全に備えること。)
△冷暖房完備。/冷暖气设备完善。
△付属施設を完備する。/完善附属设施。
[22]陳腐◎①【ちんぷ】
【名】【形動】
陈腐,陈旧。(古くさいこと。ありふれていてつまらないこと。また、そのさま。陳套。)
△陳腐な表現。/陈腐的表现。
△陳腐な文句。/陈旧的词句。
[23]そぐわない③【そぐわない】
【连语】
不相称,不合拍,不切合。(調子があわない。似つかわしくない。つり合わない。)
△現状にそぐわない計画。/不切实际的计划。
[24]利①【り】
【名】
(1)利,便利。〔都合のよいこと。〕
△地の利を得る。/得地利。
△時,利あらず。/时宜不利。
(2)利益,得利。〔もうけ。〕
△利をむさぼる。/贪图利益。
△漁夫の利。/坐收渔利;渔人之利。
△利を得るにきゅうきゅうとしている。/一心想获利。
△利に迷う。/利令智昏。
△混乱に乗じて利を収める。/乘混乱牟利;浑水摸鱼。
△利にさとい。/对利益很敏感; 见缝就钻;利析秋毫。
(3)利息。〔利息。〕
△年6パーセントの利付き公債。/一年利息百分之六的公债。
△利をつけて返す。/加上利息归还。
△元利を合計する。/合计本(金和利)息。
[25]弁明◎【べんめい】
【名·自他动·三类】
(1)说明,解释。(説明して事理を明らかにすること。)
(2)辨白,辩解。(自分の立場や事情をはっきり述べること。弁解。)
△弁明の余地がない。/没有辩解的余地。
△失言を弁明する。/为失言辩解。
[26]万民◎③【ばんみん】
【名】
万民、全国人民。(多数の人民。全国民。)
[27]視野①【しや】
【名】
(1)视野。(外界の一点を凝視するとき、その点を中心として見える範囲。視力の及ぶ範囲。)
△視野に入る。/进入视野,映入眼帘。
△視野をさえぎる。/遮住视野。
△頂上に出ると視野が開けた。/登上山顶,视野开阔了。
(2)眼光,眼界,见识,思路。(物事を考えたり判断したりする範囲。)
△視野を広げる。/打开眼界。
△視野の広い人。/眼界宽阔的人。
△あの人は広い視野に立ってものを考える。/他广开思路考虑问题。
△そんな視野の狭い考えではだめだ。/那种眼光狭隘'的想法是不行的。
(3)视场。(顕微鏡や望遠鏡や写真機などの、レンズで見ることのできる範囲。)
[28]しつこく【しつこく】
【连用形】
执着。坚持。「しつこい」的连用形。(「しつこい」の連用形。執拗である様子。)
△しつこくダーツしてみる。/坚持一定要试试投镖。
[29]はぐらかす④【はぐらかす】
【他动·一类】
(1)巧妙地摆脱掉。(連れに気付かれないように離れ去る。)
△弟をはぐらかして野球をしに行く。/巧妙地甩开弟弟去打棒球。
(2)岔开(话题);支吾。(話の焦点をずらしたり、話題を変えたりして相手の関心をそらす。)
△笑ってはぐらかす。/一笑岔开。
△質問の矢をはぐらかす。/避开尖锐的质问。
△話をはぐらかすんじゃないよ。/别打岔!
[30]煙◎【けむ】
【名】
(1)煙になる。/消失。化为乌有。
(2)煙に巻く。/拿大话唬人。蒙骗人。
[31]木登り②【きのぼり】
【名·自动·三类】
上树,爬树;善于爬树的人。(両手両足を 使って、木の 幹を登ること。)
△木登りは木で果てる。/淹死会水的。