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《日语综合教程》第七册 第六課 読み物 人は山に向かう

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読み物

人は山に向かう


        地澤夏樹

どうもこの夏(なつ)は忙(いそが)しいことになりそうなので、梅雨(つゆ)が明(あ)ける前(まえ)に2(2)日(にち)だけの夏休(なつやす)みを作(つく)った。何(なに)をしようかといろいろ考(かんが)えたあげく、上信越(じょうしんえつ)[1] のちょっとした山(やま)に登(のぼ)ることにした。前(まえ)の日(ひ)に車(くるま)で麓(ふもと)[2] の温泉(おんせん)に行(い)って、朝早(あさはや)くから登(のぼ)り、夕方(ゆうがた)には降(お)りてこようというほんの遠(えん)足(そく)[3] 程(てい)度(ど)の山登(やまのぼ)りだが、それでも行(い)く前(まえ)には結構(けっこう)うきうきするものだ。

この山(やま)、最近(さいきん)やたらに流行(りゅうこう)している深田久弥(ふかだひさや)の『(「)日本百名山(にほんひゃくめいざん)』(」)などにはもちろん入(はい)っていない地味(じみ)な山(やま)で、標高(ひょうこう)[4] は2000メートルを少(すこ)し越(こ)えるくらい。冬(ふゆ)こそ東(ひがし)側(がわ)[5] 斜(しゃ)面(めん)[6] がスキ(すき)ー客(きゃく)で賑(にぎ)わう[7] が、夏(なつ)に西側(にしがわ)[8] から登(のぼ)る人(ひと)は多(おお)くはなさそうだ。

頂上(ちょうじょう)のすぐ下に相当(そうとう)[9] に広(ひろ)い高(こう)層(そう)湿(しつ)原(げん)[10] があって、池塘(ちとう)[11] が点在(てんざい)[12] し、高山植物(こうざんしょくぶつ)[13] がずいぶんきれいだという。人(ひと)が少(すく)なくて、登(のぼ)るのが楽(らく)で、しかも花(はな)がきれいというのはいい山(やま)だ。早朝(そうちょう)からさっさと登(のぼ)ってこの湿原(しつげん)のあたりをぶらぶら散歩(さんぽ)するのも悪(わる)くないと思(おも)った。麓(ふもと)の一帯(いったい)[14] はかつては冬(ふゆ)の雪(ゆき)に埋(う)もれて孤立(こりつ)[15] したというなかなかの秘境(ひきょう)[16] で、『北(ほく)越(えつ)雪(ゆき)譜(ふ)』で知(し)られる江(え)戸(ど)後(こう)期(き)[17] の文(ぶん)人(じん)[18] 鈴(すず)木(き)牧(ぼく)之(し)に紀(き)行(こう)[19] 記(き)1(1)巻(かん)[20] がある。宿(やど)にはもちろん温(おん)泉(せん)完(かん)備(び)[21] 。

なぜ人(ひと)は山(やま)に登(のぼ)るかという陳腐(ちんぷ)[22] な質問(しつもん)がしばしば発(はっ)せられる裏(うら)には、登山(とざん)が日常(にちじょう)の論理(ろんり)にそぐわない[23] 行為(こうい)だという認識(にんしき)がある。山(やま)に登(のぼ)ることの利(り)[24] は見(み)えにくいのだ。人(ひと)と違(ちが)うことをするには弁明(べんめい)[25] が必要(ひつよう)なのが人間(にんげん)の社会(しゃかい)で、経済的(けいざいてき)に有利(ゆうり)であるとか、社交上(しゃこうじょう)の益(えき)が大(おお)きいとか、美容(びよう)に効果(こうか)があるとか、万民(ばんみん)[26] の認(みと)める利(り)のない行為(こうい)はなかなか他(ほか)から認(みと)められない。健康(けんこう)のためなどと恥(は)ずかしい言葉(ことば)を口(くち)にするわけにもいかない。要(よう)するに、山(やま)は普通(ふつう)の人(ひと)の視野(しや)[27] の外にあるのだ。

なぜ登(のぼ)るのかとしつこく[28] 聞(き)かれるのが嫌(いや)になると、そこに山(やま)があるからなどとはぐらかした[29] 答(こた)えで相手(あいて)を煙(けむ)[30] に巻(ま)いて逃(に)げる。ではそこに木(き)があれば登(のぼ)るのか問(と)いかえしてみれば、趣味(しゅみ)としての木登(きのぼ)り[31] というのは大人(おとな)の世界(せかい)ではない以上(いじょう)、山(やま)の場合(ばあい)はもう少(すこ)し何(なに)か理由(りゆう)があることがわかるはずだが、その理由(りゆう)はなかなか言葉(ことば)にならない。


 [1]じょう‐しん‐えつ【上信越】ジヤウ‥ヱツ

上野こうずけ 信濃しなの 越後えちごの総称 また その3国にまたがる地域

 [2]麓③【ふもと】

【名】

山脚,山麓。(山のすその部分。山麓。)

△山の麓にある家。/在山脚下的房子。

 [3]遠足◎【えんそく】

【名·自サ】

(1)远足,郊游。学校特殊教育的一种,指为参观学习,锻炼身体等而以徒步为主的方式去远处旅行。(学校の特別活動で、見学や運動·レクリエーションなどのために、歩くことを主にして遠くへ行くこと。日帰りの集団遠出にいう。)

△バスで富士山へ遠足に出かける。/坐大轿车到富士山去郊游。

△学校の遠足。/学校组织的远足。

△遠足にはクラス全員が行く。/郊游全班都去。

(2)远足,徒步旅行。徒步到远处去。(歩いて遠くへ行くこと。)

 [4]標高◎【ひょうこう】

【名】

〈地〉标高,海拔。(一定の海面を基準として表した、山や陸地などの高さ。)

△標高2千メートルの山。/标高(海拔)二千米的山。

 [5]東側④【ひがしがわ】

【名】

(1)东边,东侧,东面。(東に面した側。また、ある地点より東の方。)

△太陽は東側から上がる。/太阳从东边升起。

(2)东方国家。(米国や西欧などの資本主義諸国に対して、ソ連および東欧の旧社会主義諸国をいった語。)

△東側諸国。/东方诸国。

 [6]斜面①◎【しゃめん】

【名】

斜面,倾斜面,斜坡。(水平面に対して傾いている平面,または地面。)

△ゆるやかな斜面。/慢坡。

△急斜面。/陡坡。

△丘の斜面に畑をつくる。/在丘陵的斜坡上造田。

 [7]賑わう③【にぎわう】

【自·一类】

(1)热闹,拥挤,繁华。人来的很多而热闹。(人が大勢出てにぎやかになる。)

△大売り出しでにぎわっている店。/因大甩卖顾客拥挤的铺子。

△年末で往来はにぎわっている。/因为年底街上很拥挤。

(2)繁荣,兴旺,兴隆,兴盛,繁盛。(富み栄える。繁盛する。)

△市が賑わう。/市场旺盛。

△一族が賑わう。/一族兴旺。

△大阪は昔から商業都市としてにぎわってきた。/大阪从很早就作为商业城市繁华起来了。

(3)丰盛。变丰富。(豊かになる。)

△食卓が賑わう。/餐桌丰盛。

 [8]西側◎【にしがわ】

【名】

(1)西侧,朝西一侧。(西にあたるところ。西に向いている部分。)

△西側の窓。/西边的窗户。

(2)西方,对东欧而言的西欧各国。((ヨーロッパでの政治勢力の地理的関係から)自由主義体制の諸国。)

 [9]相当◎【そうとう】

【自动·三类·名】

(1)相当于;相等于。(あてはまる。)

△専門家の水準に相当する。/相当于专家的水平。

△それに相当する英語はない。/没有和它相当的英语。

△佐官および相当官。/校官及与其相当的官。

(2)适合,适称;适当。(つりあう。)

△子どもに相当した仕事。/适合孩子的工作。

△収入に相当した生活をする。/过与收入适称的生活。

(3)值得;应当,应该。(値する。)

△その罰は彼に相当している。/他应当受到那样的惩罚。

(4)过得去;象样;相当好,不错,够味儿,象样儿。(はずかしくない程度。見ばえがする。かなり良いこと。)

△相当な暮らしをする。/日子过得不错。

△相当の身なりをしている。/穿得象个样。

△彼女の歌は相当なものだ。/她唱得够味儿。

(5)相当,颇,很;够瞧的,够劲儿。(普通を超えているさま。かなりな程度であるさま。)

△相当な金額。/相当多的一笔款。

△相当な成功。/颇为成功。

△あの男も相当な者だ。/那家伙也颇有一套(藐视不得)。

△この問題を取りあげるには相当な勇気がいる。/要着手解决这个问题颇需要点勇气。

 [10]湿原【しつげん】

湿原野.【名】

潮湿的草原

 [11]池塘【ちとう】

池塘,贮水池

 [12]点在◎【てんざい】

【名·自サ】

散在,散布。分散在各处。(あちこちに散らばってあること。散在。)

△岩礁があちこちに点在する海岸。/散布着暗礁的海岸。

 [13]高山植物⑥【こうざんしょくぶつ】

【名】

高山植物。(主に高山帯に生育する植物。小形の多年生草木や小低木が多く、地下部が発達し、花は鮮やかな色彩をもつ。生長期間が短いので花が一斉に咲き、お花畑ができる。コケモモ·チングルマ·イワオウギなど。)

△高山植物園。/高山植物园。

 [14]一帯【いったい】

【名·副】

(1)一连串。(ひと続き。ひとすじ。)

△一帯の雲が浮んで。/漂浮着一串云。

(2)某周围全部。(あたり全体。)

△九州一帯。/九州一带。

 [15]孤立◎【こりつ】

【名·自サ】

(1)孤立。脱离其他事物而单独存在。(他から離れて一つだけ立っていること。)

△孤立した部隊。/孤立的部队。

△国際的孤立。/国际上的孤立。

(2)孤立,无依靠,独自存在。毫无援助。(仲間がなく、一つだけで存在すること。)

△孤立無援。/孤立无助〔援〕。

△孤立状態に陥る。/陷入孤立状态。

△仲間から孤立する。/孤立于同伴。

△少数を孤立させる。/孤立少数。

△同情者を失って,彼は孤立する形となった。/失去了同情者,他成了孤家寡人。

 [16]秘境◎【ひきょう】

【名】

秘境。(人跡のまれな、様子がよく知られていない土地。)

△秘境アマゾン。/秘境亚马逊。

 [17]後期【こうき】

【名】

后期,后半期。(一定の期間を二つまたは三つに分けたうちの、あとの ほうの期間。)

△江戸後期の文学。/江户时代后期文学。

 [18]文人◎①【ぶんじん】

【名】

文人,文士。(詩文·書画など、風雅の道に心をよせている人。)

△文人趣味。/文人雅趣。

 [19]紀行◎【きこう】

【名】

游记,旅行记。(旅行中の体験·見聞·感想などを書きつづった文章。紀行文。)

△紀行文学。/纪行文学。

 [20]巻①【かん】

【名】

(1)卷,书,书本,书册,卷帙。(書籍。)

△巻を追って読む。/逐卷阅读,一卷一卷地读。

△巻を措く。/释卷。

△手に巻を捨てず。/手不释卷。

(2)手卷,卷子。(巻きもの。)

△古筆の巻。/古书法家的书卷。

 [21]完備①【かんび】

【名·自动·他动·三类】

完备,完善,齐全,俱全。(要なものが完全に備わっていること。また、完全に備えること。)

△冷暖房完備。/冷暖气设备完善。

△付属施設を完備する。/完善附属设施。

 [22]陳腐◎①【ちんぷ】

【名】【形動】

陈腐,陈旧。(古くさいこと。ありふれていてつまらないこと。また、そのさま。陳套。)

△陳腐な表現。/陈腐的表现。

△陳腐な文句。/陈旧的词句。

 [23]そぐわない③【そぐわない】

【连语】

不相称,不合拍,不切合。(調子があわない。似つかわしくない。つり合わない。)

△現状にそぐわない計画。/不切实际的计划。

 [24]利①【り】

【名】

(1)利,便利。〔都合のよいこと。〕

△地の利を得る。/得地利。

△時,利あらず。/时宜不利。

(2)利益,得利。〔もうけ。〕

△利をむさぼる。/贪图利益。

△漁夫の利。/坐收渔利;渔人之利。

△利を得るにきゅうきゅうとしている。/一心想获利。

△利に迷う。/利令智昏。

△混乱に乗じて利を収める。/乘混乱牟利;浑水摸鱼。

△利にさとい。/对利益很敏感; 见缝就钻;利析秋毫。

(3)利息。〔利息。〕

△年6パーセントの利付き公債。/一年利息百分之六的公债。

△利をつけて返す。/加上利息归还。

△元利を合計する。/合计本(金和利)息。

 [25]弁明◎【べんめい】

【名·自他动·三类】

(1)说明,解释。(説明して事理を明らかにすること。)

(2)辨白,辩解。(自分の立場や事情をはっきり述べること。弁解。)

△弁明の余地がない。/没有辩解的余地。

△失言を弁明する。/为失言辩解。

 [26]万民◎③【ばんみん】

【名】

万民、全国人民。(多数の人民。全国民。)

 [27]視野①【しや】

【名】

(1)视野。(外界の一点を凝視するとき、その点を中心として見える範囲。視力の及ぶ範囲。)

△視野に入る。/进入视野,映入眼帘。

△視野をさえぎる。/遮住视野。

△頂上に出ると視野が開けた。/登上山顶,视野开阔了。

(2)眼光,眼界,见识,思路。(物事を考えたり判断したりする範囲。)

△視野を広げる。/打开眼界。

△視野の広い人。/眼界宽阔的人。

△あの人は広い視野に立ってものを考える。/他广开思路考虑问题。

△そんな視野の狭い考えではだめだ。/那种眼光狭隘'的想法是不行的。

(3)视场。(顕微鏡や望遠鏡や写真機などの、レンズで見ることのできる範囲。)

 [28]しつこく【しつこく】

【连用形】

执着。坚持。「しつこい」的连用形。(「しつこい」の連用形。執拗である様子。)

△しつこくダーツしてみる。/坚持一定要试试投镖。

 [29]はぐらかす④【はぐらかす】

【他动·一类】

(1)巧妙地摆脱掉。(連れに気付かれないように離れ去る。)

△弟をはぐらかして野球をしに行く。/巧妙地甩开弟弟去打棒球。

(2)岔开(话题);支吾。(話の焦点をずらしたり、話題を変えたりして相手の関心をそらす。)

△笑ってはぐらかす。/一笑岔开。

△質問の矢をはぐらかす。/避开尖锐的质问。

△話をはぐらかすんじゃないよ。/别打岔!

 [30]煙◎【けむ】

【名】

(1)煙になる。/消失。化为乌有。

(2)煙に巻く。/拿大话唬人。蒙骗人。

 [31]木登り②【きのぼり】

【名·自动·三类】

上树,爬树;善于爬树的人。(両手両足を 使って、木の 幹を登ること。)

△木登りは木で果てる。/淹死会水的。

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