しかしこの場合、注意しなければならないのは、とかく問題の「らしさ」の持つ多様性を忘れて、その一面だけを安易にのみ込む危険があることだろう。実際、男らしさといっても、考えてみれば、ずいぶん多様な側面を含んでいるはずであって、ある人は男らしさといえば腕力[1] が強く、決断力[2] があって、大まかに行動する人間のことを思い浮かべるかもしれない。しかし現実には、男は女性よりもはるかに小さなことが気になり、人間関係のこじれ[3] にこだわり、よく言えば繊細であり、悪く言えば感傷的[4] になる性質も持っている。男らしく振る舞うのは結構だとしても、この二つの側面のどちらを選ぶかで、我々の行動は全く違ってくるはずである。そして、もし人が正確な目で事実を分析しないで、早のみ込み[5] に一つの先入見にとらわれれば、行き方[6] はたちまち間違った方向に固定[7] されてしまうことになろう。
[1]腕力①【わんりょく】
【名】
腕力,力气,暴力。(うでのちから。また特に、相手を殴ったり、押さえつけたりする肉体的な力。)
△腕力が強い。/腕力大。
△腕力をふるってはいけない。/不要动武。
[2]決断力③【けつだんりょく】
【名】
果断力,决心。(自分自身の判断·責任で決断する能力。)
[3]拗れ【こじれ】
拗れること、悪くゆがむこと。
别扭,执拗,复杂化
[4]感傷的◎【かんしょうてき】
【形动】
伤感的,感动的。(感情を動かされやすく、何かにつけて涙もろくなっているさま。センチメンタル。)
[5]早のみこみ【はやのみこみ】
只了解了一点就以为自己全懂了.
[6]行き方【いきかた】
ゆきかた
[7]固定◎【こてい】
【名】【自他サ】
(1)固定。坚持不从一个场所移动(一つの場所から動かないようにすること)
△蛍光灯を壁に固定する/把荧光灯固定在墙上。
(2)固定。不从一定的状态发生变化。(一定の状態から変化しないこと)
△固定した考え方/固定思维。
△固定資本/固定资本。
△固定資産/固定资产。