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第九课 香住から白兔海岸
本文
阿部昭
海を見て来ると言われて、わざわざ海を見に出かけるなんていうのは初めてだ。
子供の頃からざっと四十年、湘南[1] の海辺で暮らしてきて、ことさら[2] しげしげ[3] と海を眺めることはない。私が元来景色というものに鈍感な人間だからかもしれないが、相手が海のような茫洋[4] たる代物[5] では、こっちがいくら力んで[6] も仕方がない。そっと[7] しておくほかはない。あれはお日様[8] と同じようなもので、まともに鑑賞[9] したりできるものじゃない、そこにちゃんとひかえていてくれれば安心していられるという、そういう性質のものだと思っている。
山の懐[10] で育った人は、山に対して、やはり私と似たような気持ちを抱いているにちがいない。私のほうでは、山の奥深くに入ると、妙に落ち着かなくて、すぐにも逃げ帰りたくなるのであるが。
そんなわけで、海も山も、景色のほうはもっぱら[11] 新婚さんやお年寄りの団体さんにお任せして、当方[12] が面白いのは、
景色よりもやっぱり人間、
どんな名所よりもやっぱり東京、
と、日頃から田舎の人たちの反感[13] を買うようなことを公言[14] してきた。
しかし、今度ばかりはそうもいっていられないらしい。なにがなんでも[15] 三日間は海を見て暮らすこと――それをやらないことには、帰るに帰れないという悲壮[16] な旅のようである。
実は私、日本海を見るのはこれが初めてだ。玄界灘[17] をチョイと[18] 遊覧船[19] みたいなもので走ったことがあるにはあるが、そんなのは見た部類[20] には入るまい。それに先刻[21] も言った通り、海辺育ちの心安さで、何処の海を見たって、
[1]湘南【しょうなん】
地名
[2]殊更◎【ことさら】
【副】
(1)故意,特意。(考えがあってわざとすること。また、そのさま。故意。)
△殊更つらくあたる。/故意虐待。
(2)特别。(格別なさま。)
△殊更目立つ格好。/特别显眼的打扮。
[3]繁繁①③【しげしげ】
【副】
(1)屡次,频繁,三番五次,经常。(物事が、たび重なるさま。たびたび。何度も。)
△繁繁と通う。/频繁地去。
(2)凝视,端详。(物をよくよく見るさま。じっと。つくづく。)
△相手の顔を繁繁と見つめる。/凝视对方的脸。
[4]茫洋【ぼうよう】
汪洋,广阔无垠,无边无际
[5]代物◎【しろもの】
【名】
(1)商品。货物。(売買する品物。商品。)
△そんじょそこらにある代物ではない。/那可不是哪儿都有的东西。
△これは2万円もした代物です。/这是价值两万日元的东西。
(2)货款。价钱。(品物を売った代金。銭。)
(3)美人。美女。(容貌の美しい女。また、女郎。)
(4)人物。(ある評価の対象となる人や物。)
△えたいの知れない代物。/莫名其妙的家伙。
△なかなかの代物だ。/他可不是个寻常的家伙。
[6]力む◎②【りきむ】
【自动·一类】
(1)使劲,用力,憋劲。(力を入れる。)
△うんと力んで押す。/使劲推。
(2)虚张声势,逞强。(気負う。)
△絶対に負けないぞと力んでみせる。/虚张声势表示决不败北。
[7]そっと◎【そっと】
【副】
(1)悄悄地,轻轻地,安静地〔静かに〕。
△そっと席を立つ/悄悄地离开座位。
△病室のドアをそっと押す/轻轻推开病房门。
(2)偷偷地,暗中〔ひそかに)。
△そっとのぞく/偷偷地看。
△そっと教室を抜け出す/偷偷溜出教室。
(3)不惊动,不去动〔そのままにしておく〕。
△しばらくそっとしておいたほうがいい/暂时不(惊)动它为妙。
△しばらくそっとしておいてくれ/暂时别打搅我。
[8]お日様◎【おひさま】
【名】
太阳,日头『方』。(太陽を親しんでいう語。主に女性·幼児が使う。)
△お日様の香り。/太阳的香味。
[9]鑑賞◎【かんしょう】
【名】【他动·三类】
欣赏;鉴赏。(芸術作品のよさを味わい楽しみ理解すること)
△映画鑑賞会/电影欣赏会。
△鑑賞力を養う/培养鉴赏力。
△クラシック音楽を鑑賞する/欣赏古典音乐。
[10]懐◎【ふところ】
【名】
(1)怀,胸,怀抱。(衣服、特に和服におおわれた胸のあたり)
△財布を懐にしまう/把钱包揣在怀里。
△母親の懐に抱かれている幼児/抱在母亲怀里的幼儿。
△懐に忍ばせる/藏在怀里。
△大自然の懐に抱かれる/拥在大自然的怀抱里。
(2)被环抱的地方。(山などに周りを囲まれた所)
△山の懐/山坳。
(3)手头,腰包,〔腰中〕带的钱。(所持金)
△懐と相談する/和钱包商量;计算身上带的钱是否够用。
△人の懐を当てにする/指望别人掏钱。
△もうけはみんな彼の懐に入ってしまった/赚的钞都进了他的腰包。
△1万円札1枚懐にして出かける/腰里揣上一张一万日元的钞票出门。
(4)内部,内幕,心事。(外部から隔てられている所)
△懐を見透かす/看透别人的心事。
△敵の懐にとびこむ/打入敌人内部。
(5)懐を痛(いた)める/破费,自己出钱。(自分の金を出す)
(6)懐を肥(こ)やす/中饱私囊。(不正な方法で利益を得る)
[11]専ら①【もっぱら】
【副】
(1)专(门);主要;净;专心致志『成』。(ひたすら;主に;それだけ;一心に。)
△最近は忙しいので、もっぱら外食だ。
(2)专擅,独揽。(ほしいまま。)
△父は定年で会社を辞めてからは、もっぱら庭仕事をしています。
[12]当方①【とうほう】
【名】
我(们men),我方。(私たち。)
△不良品は当方が責任をもってお取り替えします。/如有次品由我方负责调换。
△当方も皆元気です。/我们也都很好。
[13]反感◎【はんかん】
【名】
反感。(相手の存在や言動に対して反抗する気持ち。反発の感情。)
△反感を抱く。/抱反感。
△反感を買う。/激起反感。
[14]公言◎【こうげん】
【名·他动·三类】
公开说,声明。(隠しだてせず、人前で公然と言うこと。おもてだって言うこと。)
△公言してはばからない。/敢于公开说出。
[15]何が何でも【なにがなんでも】
【连语】
不管怎么说,无论如何,不管怎样。(たとえどんなことがあっても。)
△何が何でもやりぬくぞ。/不管怎么样都要做完。
[16]悲壮◎【ひそう】
【名·形动】
悲壮,壮烈。(あわれにまた勇ましいこと。悲しい結果が予想されるにもかかわらず、雄々しい意気込みのあること。)
△悲壮な決意。/壮烈的决心。
[17]玄界灘【げんかいなだ】
玄界滩。
福冈县西北方的海,以其冬季猛烈的风浪闻名。
[18]ちょいと◎①【ちょいと】
【副】【感】
(1)稍微,有点,一下。(数量または程度のわずかなさま。少しばかり。ちょっと。)
△ちょいとしたことで腹をたてる。/为一点小事发怒。
△ちょいとおじぎをする。/点头打招呼。
△ちょいと待ってくれ。/稍等一下。
(2)喂。(人を呼ぶときに用いる語。)
△ちょいと、お前さん。/喂,你。
[19]遊覧船【ゆうらんせん】
遊覧船(ゆうらんせん)は客船の一種で、川·湖·沼·港湾など景観の良好な観光地の水域で航行される旅客船。主に観光客のために航行され、広義には水上バスや船下りも遊覧船の一種といえる。
[20]部類①【ぶるい】
【名】
(1)部类。种类。(種類によって分けた、その一つ一つのグループ。)
△部類分け。/分门别类。
(2)伙伴。(仲間。)
[21]先刻◎【せんこく】
【名·副】
(1)方才,刚才。(先ほど。)
△先刻は失礼しました。/方才真是失礼了。
(2)已经,早就。(その時点までにその動作をほぼ完了していたことを表す。)
△先刻承知のとおり。/之前就已经知道的。