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    愛しさ 優しさ すべて投げ出してもいい

《日语综合教程》第六册 第九课 香住から白兔海岸

    

    鳥取(とっとり)で駅(えき)レンタカー[1] を借(か)り、私(わたし)よりも車(くるま)に強(つよ)いM君(くん)の運転(うんてん)で、大(だい)砂丘(さきゅう)[2] はひとまず横目(よこめ)[3] に素通(すどお)り[4] して、網代(あじろ)[5] 、田後(たじり)[6] 、浦富(うらどめ)[7] と、観光(かんこう)道路(どうろ)をたどる。奇岩(きがん)怪(かい)石(せき)にうなされた[8] たあとでは、このあたりの海(うみ)のうららか[9] な表情(ひょうじょう)には、ホット[10] させるものがある。

    民宿(みんしゅく)[11] がずらりと並(なら)んでいる。低(ひく)い軒先(のきさき)[12] に魚網(ぎょもう)[13] が干(ほ)され、漁具(ぎょぐ)[14] が掲(かか)げられ、洗濯(せんたく)物(もの)がひるがえり[15] 、狭(せま)い路地(ろじ)[16] では子供(こども)たちが遊(あそ)んでいるという、型通(かたどお)り[17] の漁師(りょうし)部落(ぶらく)へ、そろそろ[18] と車(しゃ)で入(はい)って行(い)く。祖(そ)[19] の生活(せいかつ)のにおいにも、旅行(りょこう)者(しゃ)をホットさせるものがある。

    どうしてだろう、私(わたし)が柄(がら)にもなく[20] 、しんみり[21] してしまう。本当(ほんとう)に旅情(りょじょう)[22] を動(うご)かされるのは、私(わたし)の場合(ばあい)、素晴(すば)らしい景色(けしき)を見(み)たからでも名所旧跡(めいしょきゅうせき)[23] を尋(たず)ねたからでもないようだ。何(なん)ということもない田舎町(いなかまち)の、昼(ひる)下(さ)がり[24] の人気(ひとけ)[25] のない通(とお)りに、埃(ほこり)だらけの赤(あか)いポストがぽつんと[26] 立(た)っていたりするのを目(め)にしても、何(なん)だかしんみりしてしまう。

    旅(たび)をすると宣言(せんげん)して、生活(せいかつ)から逃(に)げてきたっもりが、結局(けっきょく)よその土地(とち)へ行(い)っても他人(たにん)の生活(せいかつ)に目(め)が行(い)って[27] しまうのでは、出(で)てきた意味(いみ)もないようなものだ。私(わたし)はやはり「景色(けしき)よりも人間(にんげん)」派(は)、徹頭徹尾(てっとうてつび)[28] 野暮(やぼ)[29] な生活(せいかつ)派(は)であるらすい。

    田後(たじり)港(こう)の船着(ふなつき)場(じょう)へ向(むか)って、ごたごた[30] した細(ほそ)い坂道(さかみち)を下(お)りて行(い)きながら、私(わたし)はもちろんこことは地形(ちけい)も風光(ふうこう)も違(ちが)うが、伊豆(いず)[31] の仲木(なかぎ)[32] を思(おも)い出(だ)した。昨年(さくねん)の下田(しもだ)沖(おき)の地震(じしん)で全滅(ぜんめつ)に近(ちか)い被害(ひがい)を蒙(こうむ)った[33] 例(れい)の部落(ぶらく)である。テレビの番組(ばんぐみ)を作(つく)っていた頃(ころ)、私(わたし)はロケ[34] であそこの民宿(みんしゅく)に1週間(しゅうかん)ほど泊(とま)ったことがある。十(じゅう)年(ねん)も前(まえ)だが、ちょうど民宿(みんしゅく)がブームになりかけていた。魚(さかな)も美味(うま)かったし、家族(かぞく)ぐるみ[35] のせービスも旅館(りょかん)の比(ひ)[36] じゃなかった。居心地(いごこち)満点(まんてん)で、言(い)うところはなかった。だのに、どうもうしろめたく[37] 、心(こころ)が安(やす)らかでない。今(いま)ならわかるようなきがするが、私(わたし)はどこへ行(い)っても、そんなふうに他人(たにん)の生活(せいかつ)に心(こころ)を奪(うば)われてしまうのだ。すると、もう旅(たび)どころではなくなる。


 [1]レンタカー③【れんたかあ】

【名】【英】rent-a-car

租赁用汽车。(貸し自動車。)

△レンタカーを借りる。/租出赁汽车。

△レンタカー業者。/出赁汽车行。

 [2]砂丘◎【さきゅう】

【名】

沙丘。(風の運搬した砂が堆積してできた小さな丘。砂漠に生じる内陸砂丘、海岸にできる海岸砂丘などがある。)

△砂丘植物。/沙丘植物。

 [3]横目◎【よこめ】

【名】

(1)斜视,侧视。含情的眼色,秋波。(横を見る目。頭を動かさず、視線だけで横を見る目つき。)

△横目で人をにらむ。/用斜眼瞪人。

△横目を使う。/飞眼;送秋波。

(2)横纹,横齿。(木目や紙の目などが横に通っていること。また、そのもの。)

△横目に削る。/横刨(木料)。

△横目のこぎり。/横切锯。

 [4]素通り◎【すどおり】

【名】【自サ】

过门不入,过而不停。(前を通り過ぎるだけで、立ち寄らないこと。)

△友人の家の前を素通りする。/走过朋友的家门口而不进去(拜访)。

△天津は素通りで北京まで直行した。/天津没下车,一直去到北京。

△素通りはひどいじゃないか。/过门不入,太不象话了。

△問題提起のみに終始し、根本的な対策を素通りしてはだめだ。/始终光提出问题,对要紧的对策避而不谈是不行的。

 [5]網代◎【あじろ】

【名】

(1)竹箔。竹栅。用于日式建筑的大门、墙、天花板和篱笆等。(竹·葦または桧ひのきなどを薄く削ったものを斜めまたは縦横に編んだもの。垣·屏風·天井などとし、または笠·団扇うちわに造り、牛車ぎっしゃ·輿こしの屋形·天井に貼る。)

△この物件は網代の扉がついている。/这栋房产带有竹栅制的房门。

(2)鱼簖。鱼梁。日本冬季的宇治川,自古以来用以捕小香鱼。(冬、川の瀬に竹や木を編んだものを網を引く形に立て、その端に簀すをあてて、魚を捕るのに用いるもの。)

△魚をとるとき、網代を使ったほうが速い。/在捕鱼的时候,使用鱼簖速度更快。

 [6]田後【たじり】

【日本地名】

 [7]浦富【うらどめ】

【日本地名】

 [8]うなされる◎【うなされる】

【自动·二类】

魇。(恐ろしい夢などをみて,眠ったまま苦しそうな声をあげる。)

△悪夢にうなされる。/被恶梦魇住。

 [9]麗らか②【うららか】

(1)〔天気が〕明媚,晴朗.

(1)〔天気が〕明媚,晴朗.

△うららかな日/晴朗的日子;艳阳天.

△うららかな日ざし/明媚的阳光.

(2)〔心が〕开朗,舒畅.

△うららかな気分である/心情舒畅.

△うららかな顔つき/喜笑颜开『成』.

 [10]ホット①【ほっと】

【英】hot

(1)热的,热。(熱いさま。)

△ホット·ドリンク。/热饮。

△ホット·ケーキ。/烤饼。

△ホット·コーヒー。/热咖啡。

(2)激烈,热烈,强烈。(はげしいさま。熱中したさま。)

△ホット·ジャズ。/速度快,节奏强的爵士乐。

(3)新,新鲜。(最新であること。生々しいさま。)

△ホット·ニュース。/最新消息。

 [11]民宿◎【みんしゅく】

【名】

(1)在民家投宿。(民家に宿泊すること。民泊。)

(2)家庭旅店,接待旅客住宿的民家。(一般民家が許可を得て営む簡易な宿泊施設。)

△民宿に泊まる。/住在家庭旅店里。

 [12]軒先◎【のきさき】

【名】

(1)檐头,檐端,檐前。(軒の突き出た先の部分。)

△軒先に洗濯物をつるす。/把衣服晒在房檐下。

(2)屋前,家跟前。(家の前の軒に近い場所。)

△軒先で商売する。/在屋前做买卖。

 [13]魚網【ぎょもう】

鱼网

 [14]漁具【ぎょぐ】

渔具,捕鱼工具

 [15]翻る③【ひるがえる】

【自动·一类】

(1)飘扬,飘动,飘荡。〔風になびく。〕

△風に翻る。/随风飘扬。

△船のマストに旗が翻る。/旗在船的桅杆上飘动〔飘扬〕。

(2)改变,转变。〔変わる。〕

△意見が翻った。/意见变〔改变〕了。

 [16]路地①【ろじ】

【名】

(1)胡同,小巷;弄堂『方』。(家と家との間の狭い通路。)

△路地裏にすむ。/住在小巷里。

△行き止まりの路地。/死胡同。

△路地口。/胡同口。

(2)甬道胡同;小巷;(门内,庭院的)通道;茶室的院子。〔門または庭の。〕

 [17]型通り③【かたどおり】

【名】【形動】

照例;老一套

 [18]そろそろ①【そろそろ】

【副】

(1)慢慢地,徐徐地。(ゆっくり。)

△老人がそろそろと歩いている。/老人慢慢地走着。

(2)就要,快要,不久。(その時が間近に迫っているさま。まもなく。)

△そろそろ12時だ。/就要十二点了。

△さあそろそろ出かけよう。/咱们就走吧。

(3)渐渐,逐渐。(徐々に。)

△そろそろ涼しくなってきた。/渐渐地凉快起来了。

 [19]祖◎【そ】

【名】

(1)祖先。(祖先,)

△人類の祖。/人类的祖先。

(2)鼻祖。(創始者,)

△遺伝学の祖。/遗传学的鼻祖。

 [20]柄にもないがらにもない

地位?能力?性格などにふさわしくない??―ことを言う??柄にもなく遠慮する?

 [21]しんみり③【しんみり】

【副·自サ】

(1)心平气和『成』,平心静气『成』,恳切地。(落ち着いて静かなようす。しみじみ。)

△しんみりと話す。/恳切地谈。

△しんみりと話を聞く。/静静地倾听。

(2)沉静,悄然,寂静。寂然而清净。(さびしく静かなさま。しめやか。)

△亡き母をしのんで一同はしんみりした。/缅怀亡母,四座悄然。

 [22]旅情◎【りょじょう】

【名】

旅情,旅行中的微妙心情。(ひとり旅をしている者として感じる、しみじみとした思い。)

△旅情をそそる。/勾起旅行欲望。

 [23]名所旧跡④【めいしょきゅうせき】

【名】

名胜古迹。(景色のよさで、また、歴史的事件があったことなどで、昔から広く知られている土地。)

 [24]

 [25]人気◎【ひとけ】

【名】

 

△人気なくしいんとしたへや/没有人影人踪的冷森森的屋子

 [26]ぽつんと②【ぽつんと】

【副】

(1)一个小点或一个小孔出现貌。(点や穴ができるさま。)

△壁に小さな穴がぽつんとあいていた。/墙上漏了一个小孔。

(2)孤零零地。(孤立しているさま。)

△彼女は一人ぽつんと座っていた。/她一个人孤零零地坐在那里。

 [27]目が行くめがゆく

①気に入る?目にとまる?狂言?今参?お目が行かずは五日も十日も逗留することがあらう?

②目がくらむ?目がまわる?狂言?抜殻?―?行く?お目がゆき候?ああいかう酔うた?

 [28]徹頭徹尾【てっとうてつび】

(1)〔はじめから終わりまで〕彻头彻尾『成』,从头到尾『成』,自始至终『成』.

(1)〔はじめから終わりまで〕彻头彻尾『成』,从头到尾『成』,自始至终『成』.

(2)〔あくまでも〕完完全全.

 [29]野暮①【やぼ】

【名·形动】

(1)庸俗,俗气,土气。〔洗練されていないこと。〕

△野暮な男。/土包子。

△野暮なネクタイをした男。/系一条土里土气领带的人。

(2)不知趣,不知好歹。不懂世路人情。〔気がきかないこと.〕

△野暮くさい。/傻里傻气的。

△野暮なことを言うな。/别说愚蠢话。

△彼はそんな野暮な人間ではない。/他不是那种庸俗〔迂腐〕的人。

△そんなことを聞くだけ野暮さ。/你问那种事,太不知趣了。

 [30]ごたごた◎④①【ごたごた】

【副】【名】

(1)纠纷;争吵(争い。もめごと。いざこざ)。

△あの会社にはごたごたが絶えない/那个公司里老是纠纷不断。 

△ごたごたがおさまった/纠纷平息了。

△夫婦の間でごたごたする/夫妇之间争吵不休。

(2)混乱,乱七八糟(秩序やまとまりのないさま)。

△ごたごたしたへや/乱糟糟的房间。

△家の中がごたごたしている/家里杂乱无章。

 [31]伊豆◎【いず】

【名】

日本地名。(日本の地名。静岡県にある。)

△ 伊豆の踊子。/伊豆的舞女。(川端康成的中篇小说,由山口百惠主演的同名电影也很有名。)

 [32]中木【なかぎ】

【日本地名】

 [33]蒙る③【こうむる】

【他动·一类】

(1)蒙受。(他人から、行為や恩恵などを受ける。いただく。)

△格別の恩顧を蒙る。/蒙受特别的恩惠。

(2)遭受,招致,惹起。(災いなどを身に受ける。)

△被害を蒙る。/被害。

(3)蒙着头。(頭からかぶる。)

△布団で蒙る。/用被子蒙着头。

 [34]ロケ①【ロケ】

【名】【英】location

(1)外景拍摄。(映画·テレビなどで、撮影所または放送局の外へ出て自然の景色や町並みを背景に撮影すること。)

△その映画は目下イタリアでロケ中です。/那部电影目前正在意大利拍摄外景。

(2)位置,选定位置。(場所。位置。)

△ロケがよい。/位置选定得好。

 [35]ぐるみ【ぐるみ】

【结尾】

连;带;包括在内,全都(名詞に付いて,その物を含めて全部の意を表す。ぐるめ)。

△身ぐるみ脱いで置いて行け。/把衣服全都脱下来留下!

△家を土地ぐるみ4千万円で売る。/房子连地皮在内卖四千万日元。

 [36]ひ【比】

(1)〈数〉比bǐ,比例bǐlì.

▲ A対Bの~/A与B之比.

▲ ~の値/比值.

(2)〔たぐい〕比较bǐjiào,伦比lúnbǐ,匹敌pǐdí.

▲ 他に~を見ない/无与wú yǔ伦比;无可比拟bǐnǐ.

▲ 私はとうてい彼の~ではない/我怎么也比不上他.

▲ 武漢の暑さは北京の~ではない/武汉的暑热非北京所能比.

 [37]後ろめたい⑤【うしろめたい】

【形】

负疚,内疚。(良心にやましい所や他人に知られたくない過去が有ったりして、気が咎める様子だ。)

△後ろめたい思い。/感到内疚。

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