しかし、やはり猫から取り上げるのが遅すぎたのだろう、二、三時間後に見ると、また横倒しになって、すっかり冷たくなっていた。
3
動物のことを書く——と言っても、私の場合はごらんのとおりで、書く資格もないようなものであるが、読者としては、巧み[1] に小動物の姿を写したルナール[2] の『にんじん[3] 』や『博物誌』などは愛読[4] してやまない。
一般に、向こうの作家のものを読んで、とてもかなわない[5] と思うのは、彼らが我々と違い、親子代々、子供の時分から鉄砲になじみ、狩猟を通して動物に親しんでいることである、獲物を仕留める[6] には、相手の生態をよく知らなくてはならないから、自然、観察も真剣で、目も肥える[7] 。いわば彼らは、獣との血なまぐさい[8] つき合いを重ねながら、自然への理解を深めるのであろう。
ルナールにしてもそうで、猟は日常茶飯事[9] であり、『博物誌』などもただの風流な自然観察の産物ではない。彼の文章は、優しく、かつ残酷である。
ところが、ルナールの『日記』を読んでいくと、三十代の半ばごろになって、あるとき急に、無益[10] な殺生[11] をするのが嫌になった、という感想が出てくる。大決心をしてもう猟をやめよう、息子にもやめさせたい、と。それに続いて、彼一流のりす[12] の描写がある——
……りす。りすにはかささぎ[13] のような性質がない。棒と銃器との区別ができないのだ。樹によじ上って[14] 身を隠し、それで安全なつもりでいる。私には鼻しか見えない。最初の銃声[15] で、りすは、びっくりして滑り落ち[16] 、枝にとりつき、しがみつく[17] 。死んだのだ。そうじゃない、動いている。第二の銃声。りすは落ちる。私は、雨の降るときには、しっぽ[18] を顔の上へ引き寄せて[19] 雨を避ける、この無害[20] な優しい獣を殺したのだ。
[1]巧み◎①【たくみ】
【形动】
(1)巧妙,精巧,灵巧,精彩,出色,技艺精进,巧。技巧很高明。(手際よくすぐれているさま。上手なさま。)
△巧みなカードさばき。/麻利的洗牌。
△巧みに言い逃れをする。/巧妙地敷衍。
△かけひきが巧みだ。/很会讨价还价。
△彼はことば巧みに彼女に言い寄った。/他花言巧语地向她搭讪。
△巧みを凝らす。/精雕细刻。
(2)诡计。策划。阴谋。〔もくろみ〕
△巧みを見抜く。/看穿诡计。
[2]ルナール (フランス)列那尔
[3]人参◎【にんじん】
【名】
(1)胡萝卜,红萝卜。(セリ科の一年生または二年生根菜。)
△人参の栄養が豊富です。/胡萝卜的营养很丰富。
(2)人参。(ちょうせんにんじん。)
△人参エキス。/人参精。
[4]愛読◎【あいどく】
【名·他サ】
爱读,喜欢读。(好んで読むこと。)
△名著を愛読する。/爱读名著。
[5]敵わない③【かなわない】
【连】
敌不过,比不上,赶不上,经不起,受不了。(そうすることやそういう状態に我慢できない。やりきれない。たまらない。どうしてもそうする必要がある。…なくてはならない。)
△暑くて敵わない。/热得受不了。
△みずから出向かなくては敵わない用事がある。/有件事我不亲自去解决不了。
[6]仕留める③【しとめる】
【他动·二类】
(1)打死,射中。(殺す。)
△鉄砲で猪を仕留める。/用枪打死野猪。
△敵機を2機仕留める。/打落敌机两架。
(2)逮住,捉到,弄到手。(手に入れる。)
△彼女のハートを仕留める。/得到了她的爱情。
[7]肥える②【こえる】
【自动·二类】
(1)肥,胖。(体の肉が増す。ふとる。)
△丸々と肥えたぶた。/肥得溜圆的猪。
△丸々と肥えた赤ん坊。/胖胖的娃娃。
(2)土地肥沃。(地味が豊かになる。土地の生産力が高くなる。)
△黒々とした肥えた土。/油黑的肥沃土壤。
(3)丰富。(ゆたかになる。)
△戦争で資本家のふところが肥える。/资本家的腰包因为战争鼓起来。
(4)识别好坏的能力提高。(経験を積み、よいものを見定める力がつく。)
△口が肥えている。/口味高,讲究吃。
△耳が肥えている。/耳朵灵,听音乐内行(一般的音乐听不入耳)。
△目が肥えている。/眼力高(一般的东西看不上眼)。
[8]血なまぐさい⑤【ちなまぐさい】
【形】
血腥的;残酷的;流血的;杀伤的
[9]日常茶飯事⑤【にちじょうさはんじ】
【名】
毫不稀奇的事,常有的事,司空见惯的事,极平常(的事), 家常便饭。(日常茶飯に同じ。毎日のありふれた事柄。)
△これはもう日常茶飯事だ。/这已经是常有的事了。
[10]無益①【むえき】
【名·形动】
无益处;没好处。(なんの役にもたたないこと。)
△無益な争いはやめよう。/停止无益的争执吧。
[11]殺生①【せっしょう】
【名·他サ·形動】
(1)〈仏〉杀生。(生き物を殺すこと。仏教では最も重い罪の一つとされる。)
△無益な殺生。/无益的杀生。
(2)残酷,残忍。(むごいこと。また、そのさま。残酷。)
△そんな殺生なことは言うな。/不要说这么残忍的话。
[12]りす①【りす】
【名】
松鼠。(齧歯(げつし)目リス科の哺乳類のうち、ムササビ類を除くものの総称。または、その一種。頭胴長約20センチメートル。尾長は16センチメートルほどで,毛がふさふさとしている。毛色は夏冬および産地で異なり,冬毛の背面は北方産が暗褐色,南方産は黄褐色,腹面は白色。夏毛は体側が橙褐色を帯びる。平地から亜高山帯の針葉樹林にすみ,木登りがうまく,泳ぎも巧み。昼行性で,種子や木の実を食べる。本州·四国·九州に分布。)
△古代ローマの博物学者によると、リスは嵐がくるのを予知する能力がある。/古罗马博物学家说松鼠有预知暴风雨到来的能力。
[13]かささぎ◎【かささぎ】
【名】
(1)鹊,喜鹊。(スズメ目の鳥。日本へは16世紀末頃朝鮮から持ち込まれたとされる。)
△かささぎの橋。/鹊桥。
(2)鹭鸶。(サギの一種。)
[14]攀じ登る④◎【よじのぼる】
【自动·一类】
攀登,爬上。(物にとりすがってのぼる。)
△木を攀じ登る。/爬树。
[15]銃声【じゅうせい】
【名】
枪声
[16]滑り落ちる◎⑤【すべりおちる】
【自动·二类】
滑落,滑下。(手足·人体などが滑るや受験·選挙などで滑る。)
△ソファーから滑り落ちる。/从沙发上滑下。
△成績が滑り落ちる。/成绩下滑。
[17]しがみつく④【しがみつく】
【自動】
(1)紧紧抱住;搂住;抓住。(力を込めて、強くとりすがる。)
△おぼれそうになって木切れにしがみつく/眼看要下沉,于是抓住了木头。
△ふところにしがみつく/偎在怀里。
△恐ろしさで子どもが母親にしがみついて泣く/小孩儿吓得紧紧搂住妈妈哭。
(2)抓住……不想离开〔放手〕。(固執する。)
△古いやり方にしがみつく/墨守常〔成〕规。
△彼はいつも机にしがみついて離れない/他老是坐在桌前不想离开。
(3)不想离开(现在的职位),恋栈。(一旦手の届いたものから離れまいとして、しっかり掴んだままの姿勢を保つ。)
△社長のいすにしがみつく/不想离开社长的职位。
△現在の地位にしがみつくことしか考えない/只顾保住现在的地位。
[18]尻尾③【しっぽ】
【名】
(1)尾巴。(動物の尾。)
△尻尾を立てる/竖尾巴;翘尾巴。
△尻尾を垂れる/搭拉尾巴。
△尻尾を巻いて逃げる/夹起尾巴跑开;打退堂鼓溜开。
△犬は主人を見ると盛んに尻尾を振った/狗一看到主人,就不停地摇尾巴。
(2)尾状物。(細長いものの、端。)
△たくあんの尻尾/咸萝卜梢儿。
(3)末尾,末端。(順位の一番後ろ。)
△いちばん尻尾だ/在最后;落在最后。
△あんなことをしていてよく尻尾を出さないものだ/搞那种勾当,竟然还没露出马脚来。
△しまいに尻尾を出すだろう/终究会露出狐狸尾巴来。
△なかなかやつの尻尾がつかめない/总抓不住他的尾巴〔把柄〕。
[19]引き寄せる④【ひきよせる】
【他动·二类】
(1)拉到近旁。〔近づける。〕
△子どもを引き寄せる。/把孩子拉到身边。
△灰皿を手元に引き寄せる。/把烟灰碟拉到手边。
△敵を引き寄せて一気に討つ。/引诱敌人深入,然后一口气灭掉。
[20]無害◎【むがい】
【名】【形动】
无害,无害处。(害がないこと。悪い影響を及ぼさないこと。また、そのさま。)
△無害化。/无害化。
好多错的
日语专业复习路过,我也喜欢用例句学习,例句比较好理解。整理得很好,多谢!要是页数只有一页就好了,就可以一键发送到kindle上了。