そうして、悔恨[2] が心の中をのたうつ[3] 、ともルナールは記している。
彼が、その言葉どおり、以後一切の殺生を絶ったかどうかは知らない。しかし、りすのことを「雨の降るときには、しっぽを顔の上へ引き寄せて雨を避ける、この無害な優しい獣」と言うとき、その言葉ひとつにもルナールという人の優しい心根[4] は見てとれる。その心根は、「ものいはぬ四方のけだものすらだにも」と詠んだあの歌人[5] の心根に通う[6] ものであろう。ここを読んで、私は、日ごろ敬愛[7] しているこの作者がまたいちだんと好きになった。
とはいえ、人間はやはり人間のことで精一杯だ。動物のことまで考えてやる余裕はなかなかない。飼ってやるだけの情け[8] は持ち合わせながら、一方では、心ならずも冷血漢たるの不名誉[9] に甘んじている。
一日鎖[10] でつながれて[11] 、垣根[12] の隙間[13] からしょんぼり[14] 往来[15] を見ている飼い犬[16] たち。
打ち捨てられて[17] 、雨の中でいつまでもきりなく鳴いている子猫たち。
空を飛ぶことも忘れたまま、籠の中で冷たくなっていく小鳥たち。
もの言わぬ彼らの不幸は、なんと我々人間の不幸に似ていることか、空恐ろしい[18] までに!
それでも私は、ときおり彼らに向かって、しみじみ[19] と話しかけたくなる「おまえたちは、いいね、言葉もお金も持っていないおまえたちは。余計なおしやべりもしないし、明日のことを心配する必要もないんだから。うそつき[20] で、欲ばりな人間よりどれだけいいかわからない。……」
もちろん、何を言っても彼らは答えない。うるさそうに、私の顔を、ちらと[21] 見るだけである。
[1]れいけつ‐かん【冷血漢】
他人に同情することのない男?冷酷な人間?
[2]悔恨◎【かいこん】
【名·自动·三类】
悔恨。(後悔して残念に思うこと。)
△悔恨の情。/悔恨之情。
[3]のたうつ③【のたうつ】
【自动·一类】
(痛苦得)翻滚。(苦しみもがいてころげまわる。のたくる。)
△不意の胃痛にのたうつ。/突然胃疼得让人打滚
[4]心根②【こころね】
【名】
内心深处,根性。(心の底。本性。)
△心根はやさしい。/本性是善良的。
[5]歌人◎【うたびと】
【名】
(1)和歌作家,和歌诗人。(「歌人カジン」の和語的表現。)
(2)诗人。(一般に、詩人。)
[6]通う◎【かよう】
【自动·一类】
(1)往来,来往;通行。(行き来する。)
△北京·天津間を通うバス。/往来于北京天津间的公共汽车。
△今年から快速電車が通うようになる。/今年起要通快速电车了。
(2)上学,走读;上班,通勤。(登校する。出勤する。)
△工場へ通う道。/到工厂上班去的路。
△わたしはバスで学校に通っている。/我每天坐公共汽车上学。
△通いなれた道。/走熟了的路。
△若いときそこへはよく通ったものだ。/年轻的时候经常到那里去。
(3)通,流通;循环。(流れる。流通する。)
△電流が通っている針金。/通有电流的铁丝。
△まだ息が通っている。/还在喘气(没有死)。
△空気のよく通うところにおいてください。/请放在空气流通的地方。
(4)通晓;相印,心意相通。(一致する。通じあう。互いに理解しあっての交わりがある。)
△わたしの心は先方に通わなかった。/我的心意没有得到对方的反应;对方没有懂我的意思。
△あいつは血の通っている人間じゃない。/那个人冷酷无情。
△ふたりの心が通う。/二人心心相印;意气相投。
(5)相似,有相同之处。(似る。)
△どことなく顔だちに通う所がある。/总觉得面孔上有相似之处。
[7]敬愛◎【けいあい】
【名】【他动·三类】
敬爱。(尊敬し、親しみの心を持つこと。)
△敬愛する恩師。/敬爱的恩师。
[8]情け【なさけ】
【名】
(1)仁慈,慈悲,同情。(他を哀れむ心。人情。思いやり。)
△情けのある人。/有同情心的人,乐善好施的人。
△情けある処置。/宽大处理。
△人の情けで暮らす。/靠旁人怜恤过活。
△情けを知らない。/冷酷无情。
△情けを請う。/乞怜(于人)。
△人の情けにすがらない。/不乞怜于人。
(2)爱情,恋情。(男女の愛情。)
△情けを知る年ごろ。/知春的年龄,情窦初开。
(3)情趣,雅兴,风趣。〔風流心。風情。〕
△情け知れらん人。/不懂情趣的人。
[9]不名誉◎【ふめいよ】
【名】【形动】
名声不好,不体面,名誉不佳,不光彩。(名誉を傷つけること。また、そのさま。名折れ。不面目。)
△不名誉な記録。/不光彩的记录。
[10]鎖◎③【くさり】
【名】
(1)锁链(子)(zi);[金属の]链子。(金属製の輪をつないだひも状のもの。)
△鎖でつなぐ/用锁链锁住。
△鎖をはずす/解开链子。
△時計の鎖/表链。
△犬を鎖でつなぐ/把狗锁起来; 把狗用链子栓住。
(2)联系,关系。(物と物を結びつけるもの。連鎖。)
[11]繋がる◎【つながる】
【自动·一类】
(1)连接,连系(間が離れずに続く。つらなる)。
△島と島とが橋で繋がる/岛和岛用桥联结在一起。
△じゅずのように繋がる/连成一串。
(2)排列,排队(ならぶ)。
△長蛇の列がどこまでもつながっている/一列长长的队列长蛇般地向后延伸着。
(3)牵连,牵涉,株连,有(血缘,亲属)关系(関係がある。かかわりがある。結びつく)。
△縁に繋がる人/有亲属关系的人。
△事件に繋がる人々/与事件有牵连的人们;株连的人们。
△生活の向上と改善に繋がる問題/牵涉到生活的改善和提高的问题。
△彼とわたしは血がつながっている/他和我有血缘关系。
(4)被系在……上,绑;被……缠住(つなぎとめられる)。
△船が岸につながっている/船系在岸边。
△犯人がじゅずのようにつながっている/很多犯人被绑成一串。
△恩愛のきずなに繋がる/被爱情的羁绊缠住。
[12]垣根◎【かきね】
【名】
(1)围墙。(敷地を限るために設ける囲いや仕切り。竹や植木 などで作る。垣。)
△垣根をつくる。/围篱笆;作栅栏。
△垣根をめぐらす。/围上围墙。
(2)墙根。(垣のもと。)
△垣根のところに花がさいている。/墙根下开着花。
(3)隔阂。有间隔。(間を隔てるもの。)
△心の垣根。/心的隔阂。
[13]隙間◎【すきま】
【名】
(1)物体与物体之间不大的空隙。也指时间或工作中间的短暂空隙。(物と物とのあいだの、わずかにすいているところ。また、時間や仕事などの途中の、わずかなあき。)
△隙間のないスケジュール。/一点空隙也没有的日程表。
△隙間かぜ。/贼风。
(2)轴承游隙。游隙。
[14]しょんぼり③【しょんぼり】
【副·自动·三类】
孤零零(地)(de),垂头丧气,无精打采。(元気がなく、さびしそうなさま。)
△しょんぼり立っている。/无精打采地站着。
△彼はしょんぼりと帰ってきた。/他垂头丧气地回来了。
[15]往来◎【おうらい】
【名】【自サ】
(1)往来,通行。(ゆきき。)
△人の往来が絶えない。/行人来往不绝。
△乗りものの往来がはげしい。/来往的车辆很多;车水马龙。
△車がひっきりなしに往来する。/车辆不断地来往。
△夜10時以後は往来禁止だ。/晚上十点钟以后禁止通行。
(2)道路;大街;马路;公路。(道路。通り。)
△家は往来からはすこしひっこんでいる。/房子从马路边稍微缩后一些。
(3)交际,来往;往返;萦回,徘徊。(互いにゆききすること。訪問。)
△子どものころの思い出が脳裏を往来する。/儿童时代的回忆在脑子里萦回。
[16]飼い犬【かいいぬ】
家犬『書』,豢养的狗.
飼い犬に手をかまれる 被自己养的狗咬了手; 落得恩将仇报;养痈遗患;养虎被虎伤.【名】
[17]打ち捨てる④【うちすてる】
【他动·二类】
扔,抛弃,不管,置之不理,砍死。(構わないでおく。ほったらかしにする。思いきって捨てる。切って捨てる。)
△この件は打ち捨ててはおけない。/这件事不能置之不管。
[18]空恐ろしい⑤【そらおそろしい】
【名】
(不知为什么)感到非常可怕,感到一种模糊的忧虑。((人の将来や世の行く末などについて)はっきりとした根拠があるわけではないが、おそろしい感じである。)
△空恐ろしい子だ。/说不出原因却让人觉得可怕的孩子。
[19]しみじみ③【しみじみ】
【副】
(1)痛切,深切。(痛切に。)
△しみじみ感じる。/痛感。
△しみじみ反省する。/深深反省。
△外国語の必要をしみじみ感じる。/深感外(国)语的必要。
△ご忠告はしみじみ胸にこたえます。/您的劝戒铭刻于心。
△しみじみいやになる。/讨厌极了; 厌烦透了。
(2)感慨地,亲密,恳切。(しんみりとする。)
△しみじみ話をする。/亲密交谈;谈心。
△友人に自分の心境をしみじみと打ち明ける。/对友人倾吐自己的心情。
△しみじみと述懐する。/感慨地怀旧。
(3)仔细,认真。(よくよく。)
△しみじみ考える。/细想。
△しみじみ聴く。/倾听;细听。
△しみじみ言い聞かす。/好好地开导;谆谆规劝。
△しみじみと思い出す。/仔细想起; 一一想起。
△しみじみと眺める。/深有感触地瞅着。
[20]嘘つき②【うそつき】
【名】
说谎(的人)。(爱)撒谎(的人)。(嘘をつくこと。また、その人。)
△大嘘つき。/专门说谎的人。
△嘘つきの名人。/撒谎大王。造谣专家。
△嘘つきはどろぼうの始まり。/撒谎是偷窃的开始。
[21]ちらと【ちらと】
ちらりと
好多错的
日语专业复习路过,我也喜欢用例句学习,例句比较好理解。整理得很好,多谢!要是页数只有一页就好了,就可以一键发送到kindle上了。