演劇というものは、その意味では、聖なる世界に属するものであり、我々人间の日常の世界とは全く次元[1] の異なったところで行われる一つの祭式[2] なのであった、と言ってもよい。まことに、仮面というものは、人を別世界[3] に诱い[4] 、そして、質の異なった時間を経験させる不思議な発明品[5] なのである。その伝統は今日も変わらない。
ところで、この仮面というものをより広義[6] に解釈するなら、それは、例えば扮装[7] 、化粧といった人体へのカモフラージュ[8] 全体を含むもの、と考えることもできるあろう。ふだんと異なった衣装[9] を身に纏う[10] ことによって、または、身体や顔に色をつけたり、或は人工的な装飾[11] を施す[12] ことによって、人は全く異なる存在になりうるのである。
例えば、サングラスというものを取り上げて[13] みよう。この小道具[14] は、それだけで1人の人间の面相や表情を完全に変えてしまう。そのめがねをかけている人間は黒いレンズ[15] の陰に隠れて、全く見ることができない。その人間の素顔[16] がどのようなものであろうと、サングラスをかけると、面相[17] の見分け[18] がつかなくなってしまうのである。サングラスや付け髭[19] などというものは、変装の道具としてあまりにも陳腐[20] だが、ほんのちょっと顔を弄るだけで、人间はすっかり変わる。だれがだれであるかわからなくなる。
昔のミュージカル[21] 「ファニー?フェイス」は、正しく人间が化粧や装飾によってどう変わるかをその主題の一つとしていた。映画では、オードリー?ヘップバーンがその主人公だったが、書店[22] で働くなんの変哲[23] もない、そしてどちらかといえば風変わり[24] な顔をしているその主人公は、ある時、ファッション?デザインナーの目にとまる。デザイナーは、この主人公の髪型[25] を変え、眉[26] や唇[27] に化粧品でメーキャップ[28] を施し[29] 、優雅なドレスを着せる。すると、さっきまでやぼ[30] としかいいようのない容姿だった女性が、たぐいまれ[31] なるファッションモデルに生まれ変わって[32] しまうのである。それは、これまで[33] 手をかえ品を替えて作られてきたシンデレラ[34] 伝説の一つであるにすぎず、物語の筋としては他愛[35] ないけれども、化粧や装身によって人がどう変わるかという问题を考えると、どういうわけか、「ファニーフェイス」を思い出してしまうのだ。
[1]次元◎【じげん】
【名】
(1)〈数·理〉次元,维度。(〔数〕一般的な空間(数学的空間)の広がり方の度合を表すもの。例えば直線は1次元、平面は2次元の空間である。通常のユークリッド空間は3次元であるが、n次元や無限次元の空間も考えられる。〔理〕任意の物理量を、時間·長さ·質量などを基本量とし、定義や法則を利用して、それらの積として表現したもの。ディメンション。)
△4次元の世界。/四次元的世界。
(2)立场;着眼点;水平。(転じて、物事を考える立場や、その着目している面。着眼点。水準。)
△君とぼくの考え方は次元を異にしている。/你和我的想法着眼点不同。
△相手の次元に立って考えてほしい。/希望你站在对方的立场上考虑一下。
[2]祭式◎【さいしき】
【名】
祭祀的仪式。祭奠的程序和规矩。(祭典の順序と作法。)
[3]別世界③【べっせかい】
【名】
(1)另一个世界。(地球以外の世界。)
△別世界から来た人のようだ。/他就像个外星人似的。
(2)世外桃源。(現実とはかけ離れた環境。別天地。)
(3)特殊环境。(全く異なった生活環境や境遇。)
[4]誘い◎【いざない】
【名】
邀请,引诱。(さそうこと。さそい。)
△友の誘いに応ずる。/应友人邀请。
[5]発明品③【はつめいひん】
【名】
发明物,新设计出来的东西。()
△発明品展覧会。/新发明展览会。
[6]広義①【こうぎ】
【名】
广义。(その言葉の意味のうち、指す範囲の広い方。)
△広義に解する。/作广义解释;从广义来理解。
[7]扮装◎【ふんそう】
【名】【自动·三类】
装扮,打扮,扮演。(俳優が、その役柄らしく、身なりや顔かたちなどをつくり装うこと。また、その装い。一般に、ある人物などに似たかっこうをすることにもいう。)
△王子に扮装をする。/扮演王子。
[8]カモフラージュ【カムフラージュ】
1、「迷彩」(施)迷彩
2、「人目をごまかす」掩饰,掩盖.
[9]衣装①【いしょう】
【名】
(1)服装。(衣と裳。きもの。衣服。)
△花嫁衣装。/新娘礼服。
△衣装の美を競う。/炫耀服装美丽。
△衣装棚。/衣橱。
△衣装だんす。/衣柜。
△衣装道楽。/讲究穿衣;以讲究穿衣为乐。
△衣装掛け(のマネキン)。/(服装店橱窗中的)假人。
(2)〈劇〉剧装,戏装。(俳優·踊子などが演技の際に用いる衣服。舞楽·能では装束という。)
△衣装合わせ。/选配服装。
[10]纏う②【まとう】
【自他动·一类】
缠,裹,穿。(身につける。巻きつけるように着る。)
△晴れ着を纏う。/身着盛装。
△ショールを肩に纏う。/肩披围巾。
△ぼろを纏う。/衣着褴褛。
[11]装飾◎【そうしょく】
【名】
装饰,点缀。(美しく装い飾ること。)
△装飾を施す/加以装饰。
△装飾をこらす/讲究装饰。
△…で装飾してある/以……装饰着。
△装飾に用いる/用于装饰。
△室内装飾/室内装饰。
[12]施す③◎【ほどこす】
【他动·一类】
(1)施舍,周济。((金銭、物品や恩恵などを)恵みを与える。)
△恩恵を施す。/施恩。
△貧しい者に金銭を施す。/把钱施舍给穷人。
(2)施,施加,施行。(畑に肥料をまく。装飾や加工を加える。政策などを広く行う。)
△肥料を施す。/施肥。
△手当てを施す。/医治。
△予防接種を施す。/打预防接种针。
△仁政を施す。/施行仁政。
△彩色を施す。/施加彩色;上色。
△策の施しようがない。/无计可施。
△おのれの欲せざる所を人に施すなかれ。/己所不欲,勿施于人。
(3)用,使。(ある事態を改善するようなことを行う。)
△手段を施す/耍手段。
△施す術がない。/无计可施。
(4)表露。(表し示す。)
△面目を施す。/露脸。
[13]取り上げる◎④【とりあげる】
【他动·二类】
(1)拿起,举起(手にとる)。
△受話器を取り上げる。/拿起听筒。
(2)采纳(採用する);接受(受け入れる);受理(受けつける)。
△緊急な課題として取り上げられる。/作为紧急课题被接受。
△ぼくの意見が取り上げられた。/我的意见被采纳了。
(3)(武力で)夺取(奪う);(強制的に)剥夺;(証明書などを)吊销。
△汚職事件にかかわって職を取り上げられた。/牵连贪污事件被撤职。
△パスポートを取り上げる。/吊销护照。
(4)没收(没収する);(税などを)征收。
△凶器を取り上げる。/没收凶器。
(5)提出,提起(問題とする);(新聞·雑誌で)报道,登。
△取り上げて論ずるほどのことでもない。/不值得提出来讨论的事情。
△新聞はその事件を一面で取り上げた。/报纸在第一版上报道(登)了那个事件。
(6)(子を)接生。
△男の子を取り上げた。/接生了一个男孩子。
[14]小道具【こどうぐ】
(1)小工具,零碎工具.
(1)小工具,零碎工具.
(2)〔芝居の〕小道具.【名】
[15]レンズ①【レンズ】
【名】【英】lens
透镜。(凹、凸)镜片。镜头。晶状体。晶体。眼球的水晶体。(光の屈折作用を示す透明体。眼の水晶体のこと。)
△凹レンズ。/凹透镜。
△凸レンズ。/凸透镜。
△めがねのレンズ。/眼镜片。
△…にカメラのレンズを向ける。/把摄影机的镜头对向…。
△レンズをしぼる。/缩小镜头的光圈。
△レンズ·フード。/物镜遮光罩。
[16]素顔①【すがお】
【名】
(1)平素的面孔,不喝酒时的面孔。不施胭脂的脸,清水脸。(化粧していない顔)
△あの娘は素顔のほうが美しい/那个姑娘不施脂粉倒好看。
(2)原状,本色,本来面貌。(ありのままの状態)
△写真より素顔のほうがいい/本人比相片好看;相片不如本人好看。
△北京の素顔/北京的本来面貌。
△スターの素顔/明星的平时容貌;明星的真实面貌。
△この伝記の中に魯迅先生の素顔を見ることができる/在这本传记里可以看到鲁迅先生的真实面貌。
[17]面相◎【めんそう】
【名】
容貌,相貌。(顔のありさま。顔つき。)
△恐ろしい面相の人。/面貌长的恐怖的人。
[18]見分け◎【みわけ】
【名】
识别,辨别,鉴别,区分,分清。(よく見て、当否·可否·真偽·善悪などを判断すること。)
△本ものかどうかの見分け。/鉴别真伪。
△暗くて顔の見分けもつかない。/黑得连面孔都辨别不出来。
△敵味方の見分けをはっきりする。/分清敌我。
△あの人は人の見分けがつかない。/他不会辨别人(的好坏)。
△子どもでもこのくらいの善悪の見分けはつく。/就是小孩子,这点好坏也能分辨清楚。
[19]付け髭②【つけひげ】
【名】
假胡子
[20]陳腐◎①【ちんぷ】
【名】【形動】
陈腐,陈旧。(古くさいこと。ありふれていてつまらないこと。また、そのさま。陳套。)
△陳腐な表現。/陈腐的表现。
△陳腐な文句。/陈旧的词句。
[21]ミュージカル①【ミュージカル】
【名】【英】musical
音乐剧。音乐的,配乐的。(音楽的。音楽を中心とした軽演劇。)
△ミュージカル·ドラマ。/乐剧。
△ミュージカル·コメディー。/音乐喜剧。
[22]書店◎【しょてん】
【名】
书店,书铺。(書物を売る店。また、書物を出版する店。)
△書店に本を注文する。/在书店订购书。
[23]変哲◎【へんてつ】
【名】
出奇,奇特,与众不同『成』。(普通と変わっていること。違っていること。また、そのさま。)
△平凡で何の変哲もない。/平淡无奇。
[24]風変わり①【ふうがわり】
【名·形动】
与众不同,奇特,古怪(的人)。(おもむき·ありさま·性格·行動などが普通とはちがっていること。)
△風変わりな服装。/与众不同的服装。
[25]髪型④【かみがた】
【名】
发型。(切ったり結ったりして整えた髪の形。)
△ 彼女の新しい髪型は似合うよ。/她的新发型很适合她。
[26]眉①【まゆ】
【名】
(1)眉につばを塗る。/提高警惕,多加小心。
(2)眉に火がつ。/燃眉之急。
(3)眉を上げる。/吊起眉梢。发怒。
(4)眉をひそめる。/皱眉;颦眉。
(5)眉を開く。/展眉。
(6)眉を読む。/察言观色。
[27]唇③【くちびる】
【名】
(1)唇が薄い。/爱说话。
(2)唇滅びて歯寒し。/唇亡齿寒。
(3)唇を反す。/反唇相讥。
(4)唇をかむ。/忍住悔恨。
(5)唇を尖らす。/撅嘴。
(6)唇を翻す。/反唇相讥。
[28]メーキャップ③【めーきゃっぷ】
【名·自动·三类】【英】make-up
(1)化装,打扮。(化粧。特に、俳優が出演のために施す顔ごしらえや扮装。)
△メーキャップをおとす。/卸妆。
△鏡の前でメーキャップをする。/在镜前化妆。
(2)编审,排版。(製品の仕上げ。特に、印刷物の組版で、棒組みを指定体裁の1ページ分にまとめる作業。新聞製作では大組みのこと。)
[29]施し◎【ほどこし】
【名】
施舍。(ほどこすこと。めぐみあたえること。施与。布施。)
△こじきに施しをする。/周济乞丐。
△施し薬。/施舍药。
△施し物。/施舍物。
△人の施しを受けるほど落ちぶれていない。/还没沦落到受人家的施舍的地步。
[30]野暮①【やぼ】
【名·形动】
(1)庸俗,俗气,土气。〔洗練されていないこと。〕
△野暮な男。/土包子。
△野暮なネクタイをした男。/系一条土里土气领带的人。
(2)不知趣,不知好歹。不懂世路人情。〔気がきかないこと.〕
△野暮くさい。/傻里傻气的。
△野暮なことを言うな。/别说愚蠢话。
△彼はそんな野暮な人間ではない。/他不是那种庸俗〔迂腐〕的人。
△そんなことを聞くだけ野暮さ。/你问那种事,太不知趣了。
[31]類稀【たぐいまれ】
极少,罕见
例:類稀事件/罕见的事件
[32]生まれ変わる⑤【うまれかわる】
【自动·一类】
(1)再生,转生,转世。(死んだものが,新たな生命を得て再びこの世に生まれ出る。姿を変えて生まれる。)
△生まれ変わることができたら、誰になりたい。
(2)新生,脱胎换骨,变成新人。(いままでとは全く別人のようなすぐれた人になる。)
△重い病気が治ったあと、生まれ変わったみたいに勤勉になった。/大病痊愈后,像脱胎换骨一样变得勤奋了。
[33]これまで③【これまで】
【名·副】
(1)从前,以往,以前,过去,历来,到现在为止。(以前。)
△これまでと同様。/一如既往,和以前一样。
△これまでどおり仲よくしましょう。/咱们和好如初吧。
△これまでにもこんなことがあった。/以前(以往,过去)也有过这种事。
△これまでずっと重視してきた。/历来非常重视。
△わたしはこれまでにこんなつらい思いをしたことがない。/我从来没有这样为难过。
△彼はこれまでよりずっとよく働いております。/他干活儿比过去好得多了。
(2)到这种程度,到这种地步。(これほどまで。)
△これまでになるにはたいへんだった。/弄到这种地步可不容易了。
(3)到此为止,就此结束。(ここまで。)
△もはやこれまでだ。/已经完蛋(玩儿完)了。
△これまでが先方の所有地だ。/到这里为止是他们的土地。
△きょうはこれまでにしておこう。/今天就到此为止吧。
[34]シンデレラ【しんでれら】
【名】【英】
灰姑娘( ヨーロッパ民話の主人公の少女名。継母に虐待されるが,妖精の助けで宮中の舞踏会に出かけ,王子に見初められて幸運をつかむ。ペローおよびグリムの童話で有名)。
△シンデレラ·ボーイ/走红运的青年。
[35]他愛◎【たあい】
【名】
利他。(自分のことよりもまず他人の幸福や利益を考えること。)
△他愛ないおしゃべり。/拉拉杂杂聊天。
正文后面是不是少了五段左右呢
你猜对了,的确有不少错误,我一般只保证生词不要错,其他的就不认真了~