学校図書館の司書をなさっているとのこと。いかにもあなたらしい、と思いました。中学時代、あなたはいつもどこか怖いような印象がありましたが、それはとこにでもいる単なるガリ勉[1] 少女の、鎧[2] で固めたような怖さではなかった。あなたにはあのころから、あなた自身の世界があった。少年にとって、そんな少女は不可解[3] で怖いものなのです。でも、あれほど不可解だったあなたに、僕はまっさき[4] に自分を打ち明けることになったんですからね。そこに、どんな心理のからくり[5] が働いたものやら、考えてみれば不思議です。
毎日の力仕事[6] のせいで、筋肉[7] ばかりが発達し、精神のほうは追いっきません。精神なんぞ、いっそ麻痺[8] してくれればいい、と願っているのですが……
現実はかなわず、三文[9] の値打ち[10] もないくだらない[11] 神経が、愚かしくも研ぎ澄まされて[12] いくばかりです。
しかし、それにしても、週刊誌[13] に載ったあの写真には心底[14] 、参りました[15] 。まさか僕まで写ってるとは夢にも思わなかったですからね。阿佐緖は有名人と結婚していたのだ、つくづく[16] 思い知らされた次第です。有名な変人、と言い換えてもいいですが。しかし、僕はあの変人は嫌いではない。
またいずれ、連絡します。
一九七八年十二月二日秋葉正已
青田類子様
(『欲望』新潮社1997年7月より)
[1]ガリ勉【がりべん】
【名】
书呆子。主要形容那个异常勤奋学习的人。一般用于贬义。(主に学校等の環境で人並み以上に熱心に、または異常なほど勉学に励む人物を指す言葉である。一般的には、あまり肯定的な意味で使われることは少なく、勉強ばかりしているという批判的な意味合いで使われる。)
[2]鎧【よろい】
【名】
(1)铠甲。为掩护身体,用铁革等制作的可穿着的护具。(身体を覆い守るために鉄、革などで作った着用する戦闘用の防具。)
△鎧の袖が一度触れたぐらいで、簡単に敵を打ち負かすこと。 /轻松战胜敌人。
(2)大铠甲。(大鎧。)
(3)胸甲。(兜や袖に対して、胴鎧のこと。)
△甲冑の製作。/胸甲的制作。
[3]不可解②【ふかかい】
【名·形动】
不可理解,不可思议。((複雑または神秘的すぎて)理解ができないさま。わけがわからないこと。怪しいこと。)
△不可解きわまりないことだ。/真是极为费解。
△不可解な人物。/难以理解的人。
[4]真っ先③④【まっさき】
【名】【形动】
最先,首先,最前面(いちばん初めであること。また、そのさま)。
△真っ先に手をあげる/最先举手。
△真っ先に申し込む/最先报名。
△真っ先に駆けつける/最先赶到。
△母が真っ先に起きる/妈妈最先起床。
△列の真っ先に立つ/站在队伍的最前面。
△みんなのことを真っ先に考える/首先考虑大家的事。
[5]からくり◎②【からくり】
【名】
(1)(巧妙的)机关,消息儿『方』,自动装置。利用线、发条等使偶人、器物活动的装置,亦指使用这种装置的杂技。(糸·ぜんまい·水などの動力を利用して、人形や器物を動かす仕掛け。また、その仕掛けを使った見せ物。)
△機械のからくりを調べる。/研究机器的装置。
△時計の内部のからくりを知る。/知道表的内部构造。
(2)机关。机械等活动的原理。(機械などの動く原理。また、仕組み。仕掛け。)
(3)计策,策略,诡计,企图。(計略。たくらみ。)
△敵のからくりを見破る。/识破敌人的诡计。
△からくりがすっかりばれた。/策略完全暴露了。
△彼のことばにはからくりがあるぞ。/他的话里有鬼哟!
(4)「からくり人形」的省略。活动偶人。(「からくり人形」の略。)
[6]力仕事④【ちからしごと】
【名】
体力劳动,力气活。(特に力を必要とする肉体労働。)
△力仕事なら手伝おう。/既然是力气活就放着我来吧。
[7]筋肉①【きんにく】
【名】
肌肉,筋肉。(収縮·弛緩によって動物の体を運動させる器官)
△筋肉隆々たる体/肌肉发达的体格。
△筋肉がけいれんする/筋肉痉挛;抽筋儿。
△彼は筋肉質だ/他浑身都是肌肉。
△筋肉リューマチ/肌肉风湿症。
△筋肉労働/体力劳动。
△筋肉注射/肌内注射。
[8]麻痺①◎【まひ】
【名·自动·三类】
(1)麻痹,麻木。(しびれて感覚がなくなること。)
△心臓麻痺。/心脏麻痹。
△指先の感覚が麻痺する。/指尖麻痹。
(2)麻痹,瘫痪。指功能迟钝或停止。(働きが、鈍ったり停止したりすること。)
△大雪で交通が麻痺状態におちいる。/交通因大雪陷于瘫痪状态。
△良心が麻痺する。/昧着良心。
[9]三文◎【さんもん】
【名】
三文钱。不值钱。非常便宜。低级。无聊。(一文銭三枚。値打ちのないこと。非常に安いこと。)
△三文雑誌。/没有价值的杂志;无聊的杂志。
△三文小説。/低级小说。
△三文文士。/下流文人;无聊文人。
△三文判。/粗糙的现成的图章。
[10]値打ち◎【ねうち】
【名】
(1)估价,评价,定价。(値段の高下を定めること。)
(2)价格,价钱。(値段。)
△この品は値打ちだけのものはある。/这件东西值那些钱,货真价实。
(3)价值。(価値。)
△彼の作品は非常に値打ちがある。/他的作品非常有价值。
△千円の値打ちがある。/值一千日元。
△その本は読む値打ちがある。/那本书值得一读。
△一文の値打ちもない。/一文不值。
△その傷で値打ちが下がる。/因为这点瑕疵价值降低了。
△値打ちがつく。/值钱了。
(4)声价,品格。(品位、品格。)
△そんなことをすると君の値打ちが下がる。/做那种事情,你的声价可要降低。
△人間の値打ちは死んでみなければわからない。/盖棺论定。
[11]くだらない◎【くだらない】
【形】
无用,无益,无价值,无意义,无聊;不足取,微不足道『成』。(問題にするだけの内容や価値がない。取るに足りない。)
△くだらないことを言う/说废话。
△くだらないことに金を使うな/不要瞎花钱。
△くだらないやつ/废物。
△くだらない心配/不必要的担心。
△くだらない話/无聊的话; 淡话『方』;闲言碎语『成』。
△なんだくだらない/真无聊;真没意思;扯屁。
[12]研ぎ澄ます③【とぎすます】
【他动·一类】
敏锐,磨快(刀剑等),磨光,擦亮(镜等)。(刃物をよくといで切れるようにする。また、鏡をよくみがいて曇りのないようにする。心の働きを鋭くする。)
△研ぎ澄ました日本刀。/磨快的日本刀。
△研ぎ澄まされた感覚。/敏锐的感觉。
[13]週刊誌③【しゅうかんし】
【名】
(1週間に1回発行される雑誌。時事問題のほか雑多な種類の記事を載せ、実用性·娯楽性を兼ねるものが多い。)
△女性週刊誌。/妇女周刊杂志。
[14]心底◎①【しんそこ】
【名】【副】
内心,心底,心眼儿,衷心。(心の底。)
△心底を打ち明ける。/吐露心事,暴露思想。
△心底まで惚れた。/真的爱上了。
[15]参る【まいる】
【自动·一类】
(1)去;来(へりくだって)。
△のちほど参ります。/我随后就去(来)。
△子どもをつれて参るつもりです。/我想带着孩子来(去)。
△まもなく車が参ります。/汽车一会儿就来。
△約束の時間にはわたくしが必ず参ります。/我一定在约定时间来(去)。
(2)参拜(もうでる)。
△お寺に参る。/拜佛。
△お墓に参る。/上坟;扫墓。
(3)认输,败(降参する)。
△すっかり参った。/大败。
△参った,もう許してくれ。/我服了,饶了我吧!
△どうだ参ったか。/你认不认输?
△これはしてやられた、参った参った。/这下教人钻了空子了,我算服了。
(4)受不了(閉口する),吃不消;叫人为难(困る);不堪,累垮(弱る)。
△飢えと寒さで体がすっかり参る。/因饥饿'和寒冷身体完全垮了。
△第3問には参った。/第三道题可把我难住了。
△食費が高いのには参る。/伙食费贵得受不了。
△毎日雨が降りつづいて参った。/每天接连下雨,真吃不消。
[16]つくづく②【つくづく】
【副】
(1)仔细。(注意してものを見るさま。)
△つくづくと見入る/细看。
(2)痛切;深切。(深く考えたり、痛切に感じたりするさま。よくよく。)
△失業のつらさをつくづくと感じた/饱尝失业的辛酸味道。
△つくづくいやになった/讨厌死了;真腻透了。
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