嵯峨の竹林
「この色は何から取り出したんですか。」
“这颜色是从哪取来的?”
「桜からです。」
“是从樱花中。”
と志村さんは答えた。素人の気安さ[1] で、私はすぐに桜の花びら[2] を煮詰めて[3] 色を取
志村回答我说。 出于外行的随便, 我马上联想起,那大概是用樱花的花瓣熬汁
り出したものだろうと思った。実際は、これは桜の皮[4] から取り出した色なのだった。
染成的吧。 而实际上,那颜色是从樱花树皮中提炼出来的。
あの黒っぽい[5] ごつごつ[6] した桜の皮からこの美しいピンクの色がとれるのだという。
志村继续告诉我说,从那黑不溜秋、凹凸不平的樱花树皮里能得到这种美妙的粉红色。
志村さんは続けてこう教えてくれた。この桜色は、一年中どの 季節でもとれるわけ
这种粉红色并非—年四季都能提炼出来的。
ではない。桜の花が咲く直前[7] のころ、山の 桜の皮をもらってきて染まると、こん
在樱花即将开放的前一刻, 取山里樱花的树皮来染的话, 就能
な、上気したような、えもいわれぬ[8] 色が取り出せる[9] のだ、と。
得到这种红晕似的、 妙不可言的颜色。
私はその話を聞いて、体が一瞬ゆらぐ[10] ような不思議な感じにおそわ[11] れた。春先[12]
听了这些话, 只觉得一阵不可思议的心灵震撼。 因为
もう間もなく花となって咲き出ようとしている桜の木が、花びらだけでなく、木全体で
在我的脑海里荡漾着马上行将绽放出花朵的樱花树, 而且不光是花瓣连整棵树都在
懸命になって最上[13] のピンクの色になろうとしている姿が、私の脳裏[14] にゆらめいた[15] か
拼命地变成最美妙的粉红色的姿态。
[1]気安い③◎【きやすい】【形】
不拘泥的;不客气的
[2]花びら③【はなびら】【名】
花瓣。(花冠を組み立ている枚一枚の薄片。)
△ぼたんのきな花びら。/牡丹的大花瓣。
[3]煮詰める③【につめる】【他下一】
(把汤汁)煮干,熬干;(把问题)归纳一下,澄清一下
[4]皮◎【かわ】【名】
(1)皮。树皮。
△みかんの皮。/橘子皮。
△くるみの皮。/胡桃皮〔壳〕。
△虎の皮をはぐ。/剥虎皮。
(2)表皮。包皮。
△まんじゅうの皮。/点心皮。
(3)外观,外表。
△うその皮をはぐ。/揭穿谎言。
△化けの皮をはぐ。/剥去画皮。
△面の皮をはぐ。/剥开画皮。
[5]黒っぽい④【くろっぽい】【形】
带黑色的;发黑的;像是内行的样子
[6]ごつごつ [U]
[1]〈副?自サ〉
(1)かたくてでこぼこしている/坚硬而凹凸不平?坚硬不平?
△~した岩石/嶙峋的石山?
△~した手/粗糙的手?
(2)人がらなどが洗練されていないで?武骨であるようす/人品修养较差,粗鲁的样子?粗野?粗鲁?
△~した人/粗鲁的人?
[7]直前◎【ちょくぜん】【名】
(1)即将……之前,眼看就要……的时候de。(ことの起こるすぐ前。)
△試験の直前に。/在快要考试之前。
(2)正前面。(す前方。)
△列車は踏切の直前急停車した。/列车在接近道口处紧急刹车。
[8]えもいわれぬ [U]
[1]〔得も言われぬ〕〈連語〉
そのすばらしさをことばではなんとも言い表わせない/其美好的程度,无法用语言表达出来的?说不出来?难以形容?
[9]取り出す③◎【とりだす】【他动·一类】
拿出,取出;掏出;出,挑出;抽出,取出。(取って外に出す。あるものの中からぬき出す。)
△かばんから書類を取り出す。/从皮包中拿出文件。
△本箱から百科事典を取りす。/从书箱里取出百科全书。
△どれでもすきなものを取り出しなさい。/选出你喜欢的任何一个吧。
△植物から毒を取り出す。/从植物中抽出毒质。
[10]揺らぐ◎②【ゆらぐ】【自动、一类】
(1)摇动,晃荡。〔揺れ動く。〕
△決心が揺らぐ。/决心发生动摇。
△風に揺らぐ。/被风吹得摇动。
(2)摇摇欲坠,岌岌可危。〔傾く。〕
△身代が揺らぐ。/家产岌岌可危;面临倾家荡产的危险。
[11]襲う◎②【おそう】【他動】
(1)袭击,侵袭;侵扰。(不意に攻めかかる。襲撃する。風雨、地震などが被害を及ぼす。突然、嫌な思いが浮かぶ。)
△敵を襲う/袭击敌人。
△国籍不明の潜水艦に襲われる/受到国籍不明的潜艇的袭击。
△あらし襲われる/遭受暴风雨的侵袭。
△大地震がその地方を襲った/大地震侵袭了那一带地方。
△不景気に襲われる/经济萧条袭来。
△警察がばくち宿を襲った/警察抄了赌窝。
△恐怖が突然彼らを襲った/恐怖突然包围了他们;他们突然感到了恐怖。
(2)因袭;沿袭;继承,承袭。(地位や名跡をけ継ぐ。跡を継ぐ。)
(3)突然赶往,冲到,闯到。(前触れもなく、人の家に押かける。)
△新婚夫婦の家をう/大家一起闯到新婚夫妇的家去。
[12]春先 [U]
はるさき
[4][0]〔春先〕〈名〉
春のはじめ/初春?早春?开春?
【類】早春?
[13]最上◎【さいじょう】【名】
(1)最上面,最顶上。(いちばん上。)
(2)最高;至上;最好,最优。(いちばんすぐれている。)
△最上の品。/最高级品。
△最上の喜び。/无上的喜悦。
[14]脳裏①【のうり】【名】
脑海里。心里。(頭の中に。心中に。)
△脳裏に焼きつく。刻印在脑海里。
△脳裏にうか。/浮现在脑海里。
[15]揺らめく③【ゆらめく】【自五】
摇动;飘荡